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1『日記を拾った』
俺らがいつも遊んでいる秘密基地(といっても、高架下のことで特に建物があるわけではない)で、奇妙なものを拾った。時々、所謂大人向けの本が落ちていることもあるが、この日は違った。
表紙に『diary』と書かれているノートだった。
「diaryって、日記のことだよな。」
「そのはずだけど…」
「なんで日記がこんなとこに落ちてるんだよ。」
「さぁ…。」
「名前も無いみたいだし、中見ちゃう?」
またアホなことを…と呟くと、ひどっ!と言って来た。うるさい。
「…まあ、少しならいいかもね。」
「はあ!?なにいってんだよ」
「少しならいいじゃない。落ちてる方が悪いんだし。」
とかなんとかいいつつ、俺の制止を遮りノートをめくる。…俺は知らねぇからな。
___この時、ノートに気づかなければ、ノートをめくらなかったら、どうなっていただろう。
俺たちは知らなかった。このノートに残された真実を。