界通2
界通2
「どういう意味だ?」 起きてから記憶がないせいか感情というものがあまりでてこないと思っていたがこのウルの発言には驚いた。
「そのままの意味じゃ、我が主よ奴隷と思ってくれても構わぬぞ。」さも当たり前のように言ってきた
「いや、奴隷はいいだんだんウルと話していると頭が痛くなってきた」 リアルに。
「主も失礼だのう、頭が痛いなど・・・ん?主その痛みは今どんな感じじゃ?」少し焦ったように聞いてきた。
「ん?今は、痛っぅ」突然頭に激痛がおそってきた。
「あっと、すまぬな主よ今の主だったら痛いかもしれぬ少々痛みを耐えてくれぬか」焦りながら言ってきた。
ウルがそう言った瞬間「ぐっあああっぁぁああぁぁああぁぁああああっぁぁっぁあああああ」
全身に激痛が流れた。立っていられなくなり膝をつき情けなかったので唇を噛み締め声をでないようにした。
「っく、ウル何なんだこの痛みは」 なんとか声がでるようになって聞いてみた。
「すまぬな、主よ少々こちらもきついのう、あとちょっとで終わるので我慢してくれ」
ウルは俺のなかで何かしているようだった。
そして、何分いや何秒だったかもしれないが痛みがに突然一つの塊となり胸の中心から体外にでていく、と思った瞬間すっとした感覚とともに痛みが嘘のように消えた。
「ハァハァハァ、はぁ すーーーーーーはぁーーーー」 痛みで荒くなった息を整え痛みで俯いていた顔をあげたら目の前に黒い艶のある球体が忽然と浮いていた。
「なんだこの黒い球」 黒い球体に近づき触ろうとしたらどこからか声が聞こえた。
「主よさわらぬほうがよいぞ、さわると今の主なら対処できなく確実に死ぬぞ」
「おぉーと、危ない危ない」 ぎりぎり触るか触らないかのところで立ち止った。
「そういえば何で球体なんだ?」 一番疑問に思っていたことを聞いてみた。
「あぁ、それはのう主が同じように黒い球体のようになり眠っていて今主が起きたせいで我の力が極端に無くなったのじゃ、それでこの形態になり力を回復中なんじゃ。まぁ夜明けとともに<人>として出現してやろう狼王が<人>の形態で現れるのは主が生きていた100年ぶりじゃ。」・・・はぁ~
「100年ぶりってどういうことだ俺の体は精々16-17くらいだぞ」
まぁ俺の外見は黒い髪に左の瞳は蒼色で右の瞳は紅で左右の瞳の色が違うちょっと特殊な目だ。
身長は174㎝~176㎝ぐらいで身体つきは筋肉は良い具合についていてどちらかというと痩せ気味の体躯だ。顔は・・・・・・いいんじゃね?
「ククク、それは主が封印されていたからじゃ100年もなぁそのための行為症で記憶が無くなってしまったのじゃ本当に嘆かわしいことじゃ」
本当に嘆かわしく思っているのかどうなのか分からない口調でウルは話した。
「行為症って・・・俺の記憶は戻るのか?」
「さぁなぁ?、我には分からんのう神のみぞしるじゃ」さっぱりと言いきった。
神のくせに何が神のみぞしるだ、心の中で毒づいた。
「じゃあ、他に何か俺のこと何か教えてくれ」 黒い球体に向かって聞いた。
「我が主の願いを聞き届けたいところじゃがそれではあまりにもつまらない・・・それでじゃ我の願いを一つ聞いてくれたら一つだけ教えてやろうぞ」
ん~まあ多少ウルのほうが得しているような気はするがウルの願いは何だろうな?面倒なのと変なものはやめてほしいと思っていたらウルは「そんなに悩む必要はないぞ主なら呼吸のようにできることじゃ」と言ってきた。けど今更になりウルって確か狼神とかいっていたよななのに人に頼むような事っまてあるのだろうか?
「ウルって神様なのに俺に頼むことってあるのか?」
「うむ・・・まぁ主が必要なのは確かなんじゃ」妙に戸惑いながら話した。
ちょっと雲ゆきあやしくなってきた。
「まあいい、何だその願いは」なんとかなるだろうと思い了承してしまった。
「本当に良いのだな!?」ウルが興奮したよう答えてきた。
「フフフ、では主に 頼むとするか」
「その上から目線の物言い方がむかつくからやっぱ取引は却下」なんか上から目線な言い方に腹が立った。
「あぁすまぬ主本当にすまぬ」本気で謝ってきたのでちょっと驚いた。
「我が主よ許してはくれぬのか、我が悪かった。主は『王』であった。」
「あぁ悪かった悪かったちょっと言い方がきつかったか?」ウルがここまで反応するとは思わなかった。
「いいや、そう言う分けではないが・・・主が怒ってないのならそれでいいが」
「後『王』ってなんなんだ」言い終わった瞬間にウル(黒い球体)が心なしかうつむいたような・・・
「まあ、それより主よ我の願いを聞いてはくれぬだろうか?」話を逸らされたような気がしたがまたここで何か言ったら話が長くなるからやめておこう。
「それで願いの内容はなんなんだ?」
「我の一族を倒してほしい、我が主よ」
本日三度目の「何だって?」