蠅の王
マルスは一度退いて、態勢を立て直す。
今一度剣を翻し、弾丸のようにマルスは向かってきた。
光の様な斬撃。
僕の体を一瞬にして、ズタズタに切り裂いた・・・はずだった。
切り裂かれた体は、無数の蠅となりマルスの後方でその体を成す。
「では、踊っていただきましょう」
サラサラと右腕が霧散する。
「!」
現れた右腕の拳は、的確にマルスの顎をとらえる
ベルゼブブの体はマルスを中心に現れては消えて、彼の体をなぶっていく。
マルスの斬撃は繰り出されるたび、ベルゼブブの体は蠅となり霧散してしまう
これが魔王とも呼ばれるベルゼブブの力なのだろうか?
「負けるわけには・・・いかない」
血を吐き、内臓にも深手を負っているマルスをここまで動かすものは何なのだろう?
「高き方の為・・・導師様の為・・・」
導師?
「なるほど、貴方を動かしているのはその導師とやらですか」
ベルゼブブは微笑みながら告げる
「その導師はそんなに正しいのですか?」
「なんだと?」
ベルゼブブは腕を組み話を続ける。
まるで子供を諭す教師の様に・・・。
「正しい方が命を奪えといいますか?高き方々の真意も知らない子供が何をいっているんです」
ベルゼブブはマルスの首をつかみ、冷酷な声で告げた。
「今は見逃してあげます、自分で考えなさい」
「だれ・・・が、悪魔なんぞの戯言に」
「私は神託も司る者です。私の言葉の意味を読み解きなさい」




