魔王の目覚め2
静かな公園で2人の人間が向きあう。
一人は剣を携え、主の御名の下に戦う男
一人は動かなくなった少女を抱き寄せた、悪魔を宿すもの
「久しぶりだな、悪魔つき」
僕に切っ先を向けマルスは告げる。
「最後の別れは済んだか?これが俺からの最後の慈悲だ」
お前が・・・殺したのか?
何故?何故何故何故何故!!!!!!!
僕を狙うのなら僕だけでいいじゃないか!!
何故彼女を、蓮華を殺した!!
「悪魔を宿した者を消して・・・何が悪い?」
平然と告げる彼の眼は、揺ぎ無い決意に満ちていた。
動けない・・・
命の危機は目前に迫っている。
汗が止まらない
息が詰まる
「さぁ、懺悔の時間は終わりだ」
一閃
目の前に光が走る
「今すぐ送ってやる」
剣が僕に向かってくる。
あぁ、もう駄目だ。
今の僕には避ける事が出来ない。
ごめん・・・蓮華、何も出来なくて・・・
『修さん、今のアナタではどう転んでも彼には勝てません』
わかってる、そんな事は痛いほどわかっている。
『そのうえで質問です、貴方の身体お借りして宜しいですか?』
身体を借りる?
『一時的に、修さんの精神を左手に移し私が支配権を握ります』
ベルゼブブは話を続ける
『このまま死ぬか、それとも戦うか』
既にマルスの剣は僕に向かっている。
迷っている暇をない。
僕はこの悪はを信頼している
『・・・わかりました、最後に忠告です。意志をしっかりと持って下さい。私に食い殺されない様に』
ガチンッと頭の奥で音がした。
僕の意識は遠退き、暗い闇へと沈んでいく・・・
「なに?」
目を開くとそこにはマルスの剣を右手で受け止めている僕の姿があった。
『人間に特には感情はありませんでしたが、いやはや修さんの感情が宿ったんですかね』
クスクスと僕の姿をしたベルゼブブが笑う。
『何も知らず、見ようとしない子供・・・私が教えてあげましょう』
手を振り上げると街中から黒い柱が上がる。
そのすべては意志を持っているかの様に、僕の体を包み込む。
これは・・・
蠅だ!!
何万、何億もの蠅が渦となって身体を回る
「なッ・・・なんという・・・」
『さぁ、見せてあげましょう。この私・・・ベルゼブブの力を』
優しく笑っているその笑みは、とても冷たく輝いていた・・・




