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独白箱の残穢

母親

掲載日:2026/04/10

母になろうと母親らしくあろうと頑張った。

子供ができた時から母親になるために頑張ってきた。

好きな事もやめて、育児についても学んで、支えられながらも頑張ってきた。

子供が産まれた時は努力が報われたという気持ちよりも嬉しさと安堵が強かった。

我が子はこんなにも愛しい存在なのだと知った。

大事に大事に育てようと誓って学びながら育てた、自分も同じように母として成長していた。

最初は要領が悪い私では不器用すぎて、笑える程に酷かった。

時間がかかりすぎる、間違えている。

酷い物だった、我が子を愛して無事に強く生きてほしくて結局しっかりと本を読みながらやったら上手くできた。

時間が掛かるのがどうも私らしくて、癪で気に入らないが、不味い物だとか下手にあげられない…のだが、我が子はそんな事もお構いなしに食べようとするので大変だった。

楽しく、嬉しい日々だった、以前とは比べ物にならない程忙しく楽しい日々だった。

しかし、終わりは突然やってきた。

過保護すぎた…のだろうか…それとも教え切れていなかったのだろうか…

突然手を振り切り、何か気になる物があったのか道に飛び出してしまった。

私は焦って居たけれど、反射的に庇って蹴られた空き缶のように高く宙へと舞った。

世界がゆっくりと動く中、私は我が子の事ばかり考えていた。

無事であって欲しい、どうか生きていて欲しい、私の宝物…

意識は激痛と共に途絶えた。

気がつけば病院に運ばれている途中で痛覚も最早無かった。

ただ我が子の安否だけが気になっていた。

我が子の泣く声が遠く聞こえるようだった、お母さん死んじゃ嫌だとそう聞こえた気がする。

あぁ!無事だった!良かった!本当に良かった!

思わず安堵と共に騒ぐ声がした気がする。

私は立派な母親になれただろうか…お願い聞いてあげられなかったな…どうか生きて誰よりも幸せに欲しい…

涙と共に不甲斐ない私は最後に願うばかりだった。

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