第六十四話タイムマシンとミウラ「絵」
佐藤太郎は新インド国を復興させていた。人を集めてもう殺しあわなくて良いように理想郷を新インド国で実現しようとしていた。そして新インド国の最高指導者までのし上がった。そんな佐藤太郎にルストゥス・プリムス・ミウラ は真剣な顔でこう述べる。
「この世界は貴方のお蔭で平和になりました。でも過去の謎の瘴気で私の親兄弟親戚共々皆殺しにされました。一体誰がこんな酷いことをしたのか見当もつきませんがどうか私と一緒にタイムマシンに乗ってその歴史を阻止して下さいませんか?」
衝撃的な内容で佐藤太郎は息をのんだ。
「良いでしょう。私に出来ることなら何なりとお申し付けください。」
こうして佐藤太郎はエクセッスス博士が作り出したタイムマシンがある場所をルストゥス・プリムス・ミウラ に案内してもらった。
(過去をやり直す。そんなこと本当に可能なのだろうか?俺を謀殺する為の罠ではないだろうか?)
そんな疑念が佐藤太郎の脳内を駆け巡る。それでも過去の大虐殺の罪を帳消しに出来るなら願ってもない話だった。
「ここです!」
ルストゥス・プリムス・ミウラ が案内した場所には本当にタイムマシンがあった。
「それでは行きましょう!」
「ああ!俺たちの過去改変はこれからだ!」
そうして二人は過去に行こうとした次の瞬間ルストゥス・プリムス・ミウラ がタイムマシンの操作をど忘れしてしまい適当にボタンをポチポチ押していた。
「ちょっと本当にそんな操作で大丈夫何ですか?」
佐藤太郎は疑念を抱く。
「おっ...そうだな...多分....大丈夫だ.......」
そして過去にジャンプした。過去に行くとそこは10年以上前の冒険をしていた佐藤太郎がいた。神聖インド帝国の荒野に響く凱歌と、全裸の賢者が描く「新秩序」古城デカンの静寂を破ったのは、敗走する白百合騎士団の馬蹄の音ではなかった。それは、一人の全裸の男が放つ、あまりにも純粋で、あまりにも強大な「存在感」であった。
「あそこに見えるのは過去の俺の黒歴史その者だ.......」
佐藤太郎は過去の露出狂性癖を第三者目線で見て恥ずかしくなった。
「そんなに恥ずかしがることないですよ!露出狂時代なんて誰にでもありますよ!」
ルストゥス・プリムス・ミウラ が優しく宥めてくれた。
1. 黄金の共鳴理論
ディセクターは、砕け散った白銀の鎧の破片を拾い上げ、沈黙を守るタローの背中を見つめた。
「……タロー。お前、自分が何をやったか分かっているのか?」
「あん? 鎧をパカって割っただけだぞ。暑苦しそうだったしな!」
(……パカって割った、だと? 彼は無意識に、対象の固有振動数 $f$ を算出し、大地を介して正確な位相の波を送り込んだんだ。物理学的に言えば、こういうことか……)
「えっと魔力公式は$$f_n = \frac{n}{2L}\sqrt{\frac{T}{\rho}}$$※ $L$: 防具の構造長、$T$: 内部応力、$\rho$: 魔力密度。」
過去タローはこれを「肌」で感じ取り、完璧な逆位相で鎧の結合エネルギーを無力化したのだ。
ジョイスがあまりにも賢いのに気づき物陰に隠れていた未来の佐藤太郎は驚いた。
「あいつってあんなに賢かったのか!魔力公式とかよく覚えていられるな!」
「おっそうですね。そんなことよりデカい声出さない方がいいですよ!」
物事を多角的に観ると見えなかったものも見えるようになる。未来佐藤太郎は仲間の良さを身をもって知った。
「やはり……そうか! 俺がタローの頭に与え続けた『衝撃』という名の教育が、彼の脳を量子演算機レベルまで引き上げてしまったんだ! 殴った俺の拳が、黄金の知性を生んでしまった……ッ!」
(※デュークの罪悪感は、いまや歪んだ悦びへと昇華されつつあった)
「なんかお莫迦なパーティでごめんね。」
隠れて見ていた佐藤太郎はルストゥス・プリムス・ミウラに謝罪した。
2. 1億€のその先へ
経済の破壊と創造一行が迷宮都市アガルタのギルド本部に到着した時、そこには異様な光景が広がっていた。SSS級幻獣ポチ(マンティコア)を従え、布一枚をマントのように羽織った全裸の男が、1億€(ユーロ)の小切手を指先で弄んでいる。
ギルドマスター
「さ、佐藤太郎様……! 報酬は間違いなく。ですが、その……ポチ殿を連れて歩かれると、都市の経済が、いえ、人々の精神が崩壊してしまいます!」
ティリー♀
「あら、失礼ですわ。ポチさんはタローさまの愛の結晶でこの子が放つ魔力は、いまや都市の結界を上書きするほどの清浄なエネルギーですわよ?」
ティリーはタローの逞しい腕に絡みつきながら、ギルドマスターに冷徹な視線を送る。そこで、佐藤太郎が唐突に口を開いた。
佐藤太郎
「なぁ、マスター。この1億€、全部『ポチの養育基金』と『冒険者年金』に回してくれ」
一同
「「「はあぁぁぁぁ!?」」」
ディセクター♂
「おい、タロー! 正気か!? 1億€だぞ! 一生遊んで暮らせるどころか、小国を買い取れる額だ!」
佐藤太郎
「俺、難しいことは分かんねぇけどさ。ポチが腹減らしたらまた暴れちゃうだろ? それに、俺たちみたいに命懸けで戦ってる奴らが、怪我したくらいで野垂れ死ぬのは『愛』がねぇよ」
3. 全裸のタクティシャン
ジョイスは驚愕に目を見開いた。
ジョイス♂
(なんて賢いんだ……。いま1億€を現金化すれば、帝国内に急激なインフレを引き起こし、通貨価値が暴落する。だが、それを『基金』として市場に固定し、公共投資に回すことで、タローは『アガルタの経済的支配権』を実質的に握ったんだ。しかも、自分は『欲のない聖者』としての名声を得る……!)
ディセクター♂
(……確信した。こいつ、わざと全裸でいるな? 自分の情報を一切与えず、相手を困惑させ、常に自分に有利な土俵で交渉を進めている……。全裸は、究極の心理戦術なんだ!)
ティリー♀
(ああ……! 1億€を惜しげもなく投げ打ち、世界を愛で包もうとするタローさま……。その潔い全裸の背中に、私は一生ついていきますわ!)
佐藤太郎(腹減ったなぁ……。ポチ、あとでお前の爪を削って、なんか美味いもん買おうぜ。1億€は使っちゃったけど、お前の爪なら1枚100万€くらいで売れるってジョイスが言ってたしな!)
次なる冒険帝国の懐柔と、闇の抱擁佐藤太郎の「アホ」と「天才」が紙一重で交差する中、神聖インド帝国の権力構造は、この一人の全裸の男によって根底から揺るがされようとしていた。アーサー団長を完膚なきまでに叩きのめし、経済をも掌握したタロー一行。
しかし、彼らの活躍を快く思わない「闇の勢力」が、静かに動き始めていた。佐藤太郎「よし、飯にしようぜ! ポチ、全裸で走ると風が気持ちいいな!」ポチ「ガウッ!(訳:主人、股間が光ってますよ!)」次回……「全裸の外交官! 帝都の社交界に消えない衝撃を刻め」戦士から経営者、そして伝説へ。佐藤太郎の全裸道は、まだ始まったばかりである!
裏次回予告
未来佐藤太郎は果たして過去佐藤太郎を殺して見事35億人の瘴気大虐殺を止めることが出来るのか?
次回に続く....!




