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序幕…「あの世界を知っている僕」
誰も前の世界の事を覚えていないし、知りもしない。
唯一知っているのは僕一人だけ。
僕がそうなる様に仕向けたんだから当然だ。
僕は結果がどうなるのか知っていて起こした。
僕はあの世界が大好きだった。
僕はあいつらといることが大好きだった。
僕はあいつらと短い期間だったけど、旅をするのが楽しくて、大好きだった。
僕はあいつらと離れたくなかった。
僕は、皆が死ぬ瞬間なんて、見たくなかった。
僕は今幸せだ。
僕は今達成感に満ちている。
でもどうしてか、心にぽっかりと空いた何かがある。
それがどんなものだったのか、今の僕に知るすべはない。
なぜ泣いているのか、それを知るすべも今の僕には存在しない。
今唯一わかるのは、今の世界で前の世界と同じことを望んではいけないということだ。
理由は分かっている。
あいつらに顔向けができないし、僕のせいで再び世界を終末に向かわせるわけにはいかないのだから―――
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。




