試合の日
第6章
会場に到着すると――
ルーゼ「ここが会場だ。控室まで案内しよう。」
そう言って彼らを控室へと導いた。
ルーゼ「ここで呼ばれるのを待っていてくれ。準備が整ったと司会者に伝えてくる。」
フェズ「分かった、ありがとう。」
ルーゼが出て行くと、フェズが仲間に声をかけた。
フェズ「少し休もう。ベン、ゼルコ、入り口を警戒して怪しい動きがないか見張ってくれ。」
ベンとゼルコ「了解。」
二人は控室を出ていった。
しばらくしてルーゼが戻ってくる。
ルーゼ「ん? 二人はどこへ?」
フェズ「私一人で十分だと思ったから、城に戻らせた。」
ルーゼ「そうか……。もうすぐ試合が始まる。ルールを説明しておこう。
・場外に出るか降参すれば負け。
・相手を降参させれば勝ち。
・観客を狙って魔法を使うのは禁止。
・魔法も剣も、どのレベルを使っても構わない。
以上だ。」
窓のカーテンを開けると、観客席が人で埋まり、歓声が響いていた。
そこへ司会者の声が響く。
司会者「第一試合を開始します! ミルティ王国代表ジデン、ハカオ王国代表デソン、入場してください!」
ルーゼ「ジデンはどこだ?」
ジデン「はい!」
ジデンはルーゼとともに会場へ向かった。
フェズは窓越しに戦いを見守る。
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ジデン vs デソン
司会者「両者、準備はいいか!」
デソン「準備万端だ!」
ジデン「行くぞ!」
司会者「始め!」
ジデンが剣を構えて突進。デソンはかわし、逆に斬りかかるがジデンが受け止める。
ジデンは相手を投げ飛ばすと呪文を唱えた。
ジデン「ウォーターケージ!」
水の立方体がデソンを閉じ込めようとする。だがデソンは剣にオーラをまとわせて一刀両断。
ジデン(心中)「馬鹿な……!」
続けてデソンが一気に距離を詰める。
ジデンは土壁で防ごうとする。
ジデン「アースウォール!」
だがデソンの炎が壁を突き破る。
デソン「ファイアドラゴン!」
炎の竜がジデンに迫る。必死に剣で受け止めるが力負けし、炎が消えた瞬間、デソンが背後に回り剣を首元へ。
デソン「降参するか?」
ジデン「するものか!」
次の瞬間、デソンに吹き飛ばされ場外へ。
司会者「勝者、デソン!」
観客がどっと沸き、ジデンはルーゼに支えられ控室へ戻った。
ヴリン「ジデン、大丈夫?」
ジデンは悔しさをにじませるだけだった。
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ミシル vs エンジェル
司会者「次の試合! ミルティ王国代表ミシル、ハカオ王国代表エンジェル、入場!」
ヴリン「無理しないでね、ミシル。」
ミシル「心配するな、必ず勝つ。」
ルーゼとともに会場へ。
司会者「両者、準備は?」
二人「準備完了!」
司会者「始め!」
ミシルは剣に風をまとわせ突進。
エンジェルは「ウィンドスラッシュ!」と風の刃を飛ばす。
それを斬り払い接近するミシルに、炎が襲いかかる。
エンジェル「ファイアスプラッシュスピアード!」
大きな炎の奔流。ミシルは跳んでかわし、空中で剣を構える。
そこへエンジェルが剣にオーラをまとわせ突進。
激しい斬り合いの末、両者の剣が砕け、同時に弾き飛ばされる。
先に立ち上がったエンジェルが地面から槍を突き出す。
エンジェル「アーススパイク!」
ミシルは風で速度を上げ突進。
エンジェルが最後の炎を構える。
エンジェル「ファイアラッシュ!」
巨大な火球が放たれる。
対するミシルは剣に炎をまとわせ叫ぶ。
ミシル「炎剣・ネウロドファイア!」
炎の剣で火球を断ち切り、そのまま爆炎の勢いでエンジェルを吹き飛ばし、場外へ。
会場が一瞬静まり返る。
倒れたエンジェルは医療班に運ばれた。
司会者「勝者、ミシル!」
控室に戻ると、
ヴリン「怪我はない?」
ミシル「大丈夫だ。」
ヒフン(心中)「俺も勝たなければ……。」(微笑)
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レイ vs ジュズ
司会者「続いて! ミルティ王国代表レイ、ハカオ王国代表ジュズ、入場!」
ヒフン「頑張れ、レイ!」
レイ「ありがとう。」
二人は会場へ。
司会者「準備はいいか?」
二人「準備完了!」
司会者「始め!」
ジュズは片手に剣、もう片方に火球を作り出し突進。剣を投げつけると、レイは素手でそれを受け止めた。
すかさず至近距離で爆炎を放とうとするジュズ。
レイ(心中)「剣は奪った。魔法は目の力で……。」(笑み)
その瞳の力で炎を打ち砕く。
ジュズ(心中)「ありえない……!」
レイの蹴りがジュズを吹き飛ばす。
ヒフン(心中)「やはり、レイの目は魔法を打ち消せるのか。」(笑み)
再び立ち上がるジュズ。しかしレイが風をまとい突進、強烈な一撃でジュズを場外へ叩き出した。
観客がざわめく。
観客「あの目は……魔法を壊した……。」
観客「殺し屋だ……。」
司会者「勝者、レイ!」
しかし歓声はなく、ただ重苦しい空気が残る。
ジュズは医療班に運ばれ、レイは表情を変えずに控室へ戻った。
ルーゼの顔には、わずかな険しさが浮かんでいた。
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