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初めての日

第2章


朝、ヒフンの食卓にはまだ朝食の香りが残っていた。


「父さん、今日仕事から帰るのは何時?」ヒフンは期待のこもった目で尋ねた。


「午後くらいだな。どうした?」父は穏やかに答えた。


「あとで剣術を教えてくれる?」ヒフンの目が輝いた。


「いいぞ」と父は簡潔に答えた。


「やった!」ヒフンは嬉しさで席から飛び上がりそうになった。


朝食を終えると、ヒフンは自室に急ぎ、愛用の剣「セツキ」を手に取り背中に背負った。


「行ってきます」と軽く手を振り、リフォルト学院へ向かった。


学院の門で、ヒフンはレイと出会った。


「おはよう、レイ」ヒフンは声をかけた。


「ん?ああ、おはよう、ヒフン」とレイは少し驚きながらも微笑んだ。


「ここで何してるの?」ヒフンは興味津々で尋ねた。


「別に何も」とレイは落ち着いて答えた。


「そっか、何組?」


「1Cだ。君は?」


「はっ…君も新入生?でも昨日テスト受けてなかったよね」


「朝のテストを受けて、昼には終わった」とレイは淡々と答えた。


「なるほど…」ヒフンは教室の方を見やりながらつぶやいた。「教室に行く?」


「最初の授業は剣術だけだ。もうできるから、次の授業まで待つよ」とレイは言った。


「剣術?じゃあ先に行くね」とヒフンは元気よく言った。


「うん、先にどうぞ」とレイは答えた。



---


ヒフンは教室に入り席に着いた。しばらくして大人の男性が入ってきた。


「さて、皆。私の名前はエルリック。今日は剣術を教える」と男性は落ち着いた声で言った。


「剣を使うのは斬るだけではない。オーラを剣に込めることもできる」とエルリックは生徒たちの間を歩きながら説明した。


(ヒフン心の中)セツキはよく使ってるから、オーラの訓練は楽なはずだ


「今日の目標は、剣を通してオーラを出すことだ」とエルリックは続けた。


訓練場に連れて行かれる。


「さあ、相手を決めて稽古を始めろ!」とエルリックは命じた。


ヒフンは相手を見て軽く頭を下げた。「よろしくお願いします」


稽古が始まる。ヒフンは素早く攻撃を仕掛け、相手を後退させた。突然、相手は攻撃を受け流し、上から突進してきた。


ヒフンは防御したが、相手が特殊な目の力で自分を弱体化させていることに気づき驚いた。


後ろに飛び退き距離を取ろうとするが、相手はすぐに接近し、剣をヒフンの首に向けた。


「あ…負けたか…」ヒフンは少し悔しさを感じつつ相手を見た。



---


授業が終わり、生徒たちは休憩する。ヒフンは廊下でエルリックに近づいた。


「先生…」


「うむ?」エルリックは振り向く。


「剣にオーラを込められるように教えてほしいです」とヒフンは少し照れながらも決意を示した。


「本気か?」エルリックは真剣な目で見つめる。


「はい、お願いします」とヒフンはうなずいた。


「よし。放課後、教師室で会おう」とエルリックは微笑んだ。


「ありがとうございます!」ヒフンは満面の笑みを浮かべた。



---


ヒフンは庭に向かうと、レイはまだベンチに座っていた。


「何か用か?」レイは振り返りもせずに尋ねる。


「聞きたいんだけど…君は目の力を持ってる?」ヒフンは好奇心いっぱいに聞いた。


「目の力?」レイは少し驚いた様子で答えた。


「さっきの相手を強化してた力のことだよ」


レイは真剣な目で言った。「目の力は神聖なものだ。それを持つには、人を殺す必要がある」


ヒフンは驚き、相手が人を殺したかもしれないことに気づく。


レイは視線を落とした。「俺には目の力がある…技術的には、母が出産で亡くなった。だから力を持っている」


「え…」ヒフンは安堵の息をついた。


「それだけ聞きに来たのか?」レイは平然と言う。


「あと…オーラを武器に込められるの?」


「できるよ。オーラは意志力だ。意志が強ければオーラも強い」とレイは説明した。


「意志か…分かった」ヒフンは微笑む。「ありがとう、レイ」


「いや、どういたしまして」とレイは答えた。



---


次は魔法の授業。ヒフンは教室に入り、レイも一緒にいた。


「魔法の授業に来たの?」ヒフンは聞いた。


「剣より魔法の方が好きだから」とレイは答えた。


教師が入室。驚いたことに、ヒフンが剣のテストで戦った相手だった。


「皆さん、こんにちは。私の名前はヴリンです」と彼女は温かく挨拶した。


彼女は気や魔法の仕組みを説明した。「気は体の中のエネルギーだ。気が強ければ魔法の威力も大きい。しかし、連続で使うと気は減る」


ヒフンは手を挙げた。


「魔法もオーラで強化できるのですか?」


「はい。オーラを込めることで破壊力が増す」とヴリンは微笑んだ。


彼女は厚板を取り出し、まずオーラなしの火球を投げ、次に赤紫色のオーラを込めた火球を投げた。板は粉々に砕け、全員が驚嘆した。



---


授業後、ヒフンは教師室でエルリックに近づいた。


「先生、稽古の準備できました」


訓練場でヒフンとエルリックは剣術の稽古を始める。ヒフンは素早く攻撃するが、すべてエルリックに防がれる。


エルリックは風の魔法で空中を跳び、ヒフンの背後に着地して斬撃。ヒフンは身をかがめ、オーラを出すために意志を集中させる。


遠くからレイがじっと見守っていた。


突然、ヒフンのセツキ剣が赤みがかった金色のオーラを放つ。ヒフンは勢いよく前進し、エルリックに斬りかかる。


次々と攻撃を繰り出すが、エルリックはすべて防ぐ。剣が少し割れ、彼もオーラを込める。


ヒフンは少し後退し、息を整える。


「今日はこれで終わりだ」とエルリック。


「え?」ヒフンは戸惑った。


「ありがとう、先生」と剣を下ろす。


エルリックは微笑む。*彼のオーラ…赤みがかった金色か…*と心の中で思った。



---





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