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 片村美夏は昼食を軽く済ませて、自宅のテラスで昼下りの紅茶を嗜んでいた。夏の陽射しを二階のベランダが遮るように設計されたテラスは、夏でも日陰で風通しも良く寛ぐには丁度よい。庭には赤い薔薇が植えられていて、その手入れが片村美夏の日課であった。そんな幸せを壊した女が憎い。主人の声色で相手が若い女性だとはすぐに見抜いていた。スマホが鳴り始めた。着信は主人からだ。主人の教頭は自然な語り口で、今日は会議で遅くなると伝えてきた。どんなに自然な口調で話しをしても、若い女性の臭いがするのは女の勘だ。片村美夏は電話を切ってすぐに、黒嶋探偵事務所に連絡を入れた。

「はい黒嶋探偵事務所の黒嶋です。そうでしたか、今日も遅くなると…間違いなく密会だって云うんですね。解りました。打ち合わせ通り放課後の追跡調子を始めましょう」

 黒嶋探偵事務所の社用車は近くの駐車場に停めてあり、黒嶋社長は調査のための身支度を手早く済まして、定足を連れて社用車に乗り込んだ。その社用車は白いボディに青いラインが入ったライトバンで、運送業者の車に見えて、探偵調査中はカモフラージュになっていた。

 まだ十七時前の国道十五号線はまた空いていて、片村教頭が勤める小学校まではすぐについた。校門の反対側のマンション横の路地に車を停めた。ここからは校門周辺が良く見えた。黒嶋社長はノートパソコンを立ち上げ、特殊なアプリを使い教頭のスマホの位置情報をマップ上に表示させた。このアプリはスマホの番号さえ分かれば、いつでもマップ上に位置情報を表示させれる探偵の必需品だ。このアプリで調査対象の位置を特定する。片村教頭はまだ学校の職員室にいるようだった。

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