ここから物語り始まる
僕は今から探偵の物語りを書いてみようと考えた。これは思い付きだけれど、書く―、このことに大きな意味がある。有り難いことに、これから書く文章はこのサイトが続く限り、特別なものではなくこの場所に存在する。ずっと… ならば―、この物語りを、最高のストーリーを、ここに創り上げてみせよう。ここは私に期待して欲しい。
それでは書き始める。まず主人公は社会人三年目くらいで、倦怠的にモチベーションが下がって、会社を辞め、世界旅行に出かけてしまう。そんな感じでどうだろう。そう云う人生経験も悪くないし、人々は羨ましく思うかも知れない。その世界旅行から帰ったところから始めてみよう。
羽田空港の上空を旋回して、航空機が着陸のときを待っている。この上空から東京スカイツリーを目下に臨むのは、半年振りのことである。ライトアップされ美しい姿のツリーは、ここ日本に戻って来たことを、この僕にはっきりと教えてくれた。
とりあえずここまで書いてみた。小説の書き出しとしてはどうだろう。僕自身は悪くないかなと思った。これは思い付きで書いた文章にしては良いものに仕上っていると感じている。更に云えばこれは僕の希望とも云える。実のところ気が向けばすぐに新幹線に乗って旅行に行ってしまう程、僕は旅行好きだ。それだが専ら国内旅行で恥ずかしながら、海外旅行にはこの歳になっても、行ったことがない。ここは想像やこれまで知り合った人々に散々聞かされた経験で、このプロットを書いてみる。