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七河蒼空は、外見以外に問題あり  作者: とい
第1章 学年一の美少女と。
9/60

俺はファンを大事にする

 結愛のがんばりと俺の完璧なサポートにより彼女は嫌がらせから解放され、俺の家でのウキウキな一件から数日。


 俺と結愛は一緒に登校している。まあ、交際してると周りに思わせてるからな。


 そして、少し変わったことがある。


 「蒼空?どうしたのですか?」


 このように、結愛は周りに人がいる時でも俺の名前を呼んでくることになったことだ。


 敬語は変わらないが名前は呼び捨てにしてくるアンバランス。


 そういうの逆にいいよな!なんかいいよな!!


 「いや、なんでもないよ七海」


 「結愛で良いって言いましたよね。

  私たちは付き合ってるのですから。

  名前で呼び合うのは普通です」


 たしかにそうだな。最初に会った頃とは全く反応違うよな!むしろ名前で呼んでほしい感出てないか?


 「そうだったな悪い。

  ところで最近何か視線感じたりするか、結愛?」


 「!‥‥‥特に何も感じないですね」


 「なんで恥ずかしそうなんだよ!

  ならわざわざ名前で呼ぶこと

  要求しなければいいのに。

  案外可愛いとこあるんだな!」


 そう言うと、人がいない所まで引っ張られて、彼女にビンタされるのだった。


 執念深いよ!そして照れ隠しにしては一撃が重すぎるんだよ!!


 そうか彼女は気づいてないのか。最近感じる視線を。


 この俺が、なんとかするしかない。


 


 そして2日が経った今日の放課後。


 「蒼空、今から各クラスの学級委員で集まり

  ますよ。古賀先生から聞いてますよね?」


 「あー悪い結愛。

  今日用事あるから俺帰らなきゃ行けないんだ。

  俺の顔に免じて許してくれ!

  埋め合わせは必ずするから!

  完璧な俺にかけて!!」


 「わかりました。じゃあ私1人で行ってきます。

  用事がんばってください、蒼空」


 そう言って彼女は教室から出ていく。素っ気ない態度で。間違いなく怒ってらっしゃる。


 彼女の顔が作り笑いだったのはこの俺ならすぐに気づける。怖いわ!!!根に持つぞあれ!!


 学級委員って大変だよな!俺、学級委員なんだよな??


 結愛、本当にごめん!


 でも今から結愛にとっての悩みの原因を解決してみせるから!!それでご勘弁!!


 俺はカバンを持って教室を出て、その後校舎から出る。校門の通ろうとすると、


 「お前、七河蒼空だよな??」


 明らかに他校の制服を着たヤンキーみたいな奴らが俺に話しかけてくる。


 やっぱりな。放課後になってすぐ。まさかストーカーがこっちをのぞいてないか教室の窓から確認していると、こいつらが俺に目を向けてたんだよな。


 一昨日、昨日と誰かからの視線を感じていたが、多分こいつらなんだろう。


 最初はファンかと思って俺は笑顔で手を振ってやったけど。


 それは冗談で、本当は俺をつけ狙っているか確認するために手を振ったんだ。するとコイツらはすぐに物陰に隠れた。つまり間違いなく俺狙い。


 「そうです!!みんなのアイドル七河蒼空です!」


 「何言ってんだおまえ。聞いたぞ。

  最近調子に乗ってるなぁ???

  あの七海と付き合ってるんだって?」


 その発言で俺は確信する。ああ、こいつらが結愛のストーカーだと。


 「付き合ってるよ!いや〜彼女良いよね!

  それに面白い性格なんだ!!

  この俺にすらもったいないくらい

  尊敬できる理想の彼女だな!!」


 「そんなことは聞いてねぇ!!

  さあ、今から付き合え。

  みんなのアイドル七河くんは

  逃げ出したりしないよなぁ???」


 「もちろん良いよ!!

  俺はファンを大事にするから!!

  1人で俺と話すのが恥ずかしいからって

  わざわざ3人で来る必要ないじゃん!」


 「ふざけた野郎だな。まあいい、ついてこい」


 ふざけた野郎はどっちだよ。


 彼らの後をついて行くと高校から少し離れた人気が少ない公園に着く。これ、さてはファイトするな!?


 公園に着くと彼らは俺の周りを取り囲む。俺はブレザーを脱いで、持っていたカバンと一緒に地面に落とす。 2つとも自分の近くに落とした。


 「話って何?

  がんばってくださいって応援なら大歓迎!

  特別に握手は1人10秒な!」


 「お前本当に調子乗ってんなあ。顔が良いからって

  いい気になってんじゃねえぞ??

  それに七海と付き合っていて調子に乗りすぎだ。

  今から俺たちがお前が調子に乗ってることを

  わからせてやる」


 3人の中のリーダーらしき奴がそう言ってくる。


 「俺の彼女に近づかないでもらえる?

  怖がってるんだよ。

  最高の彼氏の俺からしたら許せない」


 「あ??何言ってんだおまえ??

  まあいい。とりあえず殴らせろ」




 ヤンキーの1人が俺に向かって拳を振り上げる。やっぱりこうなるのか。なら、仕方ないか。



 俺はそれを顔面にくらうのだった。当然口から血が出る。


 さすがに、痛いな。


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