シャワーの音、気にしない男いないだろ
今、学年一の美少女と呼ばれる女子が俺の家でシャワーを浴びている。
何も起こらないはずがない‥そう思っていた。
何も起きなかった。
いや、さすがに覗いたり襲ったりするのは最低だろ。
でも、七海の裸には興味しかないからな!
だから俺はこうして隣のリビングでシャワーの音を聞いている。ドキドキ、ワクワク!
ジャー、サー、シャワー。
俺、表現下手くそだわ。
七海が俺が貸した黒のスウェット上下に着替えて出てくる。
サイズが大きくてダボっとしてるのが逆に良い!!
「お風呂と着替え貸してくれてありがとう」
「こちらこそ風呂上がりの姿ありがとう」
「気持ち悪いわね‥」
「いや、学年一の美少女のプライベートな姿には
価値があると思うよ??
俺の着替えシーンと同じくらい」
「もうこの話をしても意味はないわ」
意味がないとか言われちゃったよ。
俺は七海に背を向けながら言う。
「さて、七海の制服とブラとパンツは
もう洗濯したから後は乾燥機で乾くのを待つだけ。
あと1時間程度何しようー」
そういった途端に俺は背中に重みがのしかかる。
七海に後ろから抱きつかれていた。
す、すげー柔らかいし、いい匂いするし、暖かい!!
それにこの、背中に当たる2つのお山は‥!
名付けて、双頭の巨乳!!
ありがたや、ありがたや。
「今日は‥ありがとう」
「おい。デレデレじゃないか」
「うるさい。お礼は素直に受け取りなさい」
「あい了解した。
でも礼を言われる覚えはないな。
がんばったのはお前だし。
まあ俺がカッコいいことをしたのは確かだな!!」
「あなたって本当に変な人ね」
そう言って彼女は俺を抱きしめている手に力を入れてくる。ちょ、ちょっとだけ苦しいかも‥!
けどその分双頭の巨乳がぁ!!!
変な人とは何事か。お前にだけは言われたくないぞ???
「ねえ‥お礼しようか?」
頭が良い俺はその言葉だけで彼女が何を言っているのかわかる。いや、変態だからってわけじゃないぞ??
「ほ〜、それは魅力的な提案だな。
しかし却下だ。
お前は嫌がらせから解放されて
気持ちがハイになってるだけ。
お前は後悔するだろうし、
何より俺はそういうことは合意の上でしたい。
俺に夢中になっている女の子としたい」
「胸揉ませろとか頬にキスとか言っておいて?」
「それは報酬!
しかもそれは却下されたんだから良いだろ!?
俺は性格まで完璧だから
相手の気持ちも考えてるんだよ。
な、気の迷いだって。
自分を大切にしろよ」
俺がそう言うと彼女が俺から離れる。
バイバイ、双頭の巨乳。
「わかったわ。確かにはそうかもしれない。
私は浮かれていたかも。
でもあなた、後悔するわよ??
私の処女を奪える最初で最後のチャンスを逃した」
そう言って彼女は笑う。良い笑顔だ。さすが俺の彼女。
「何言ってんだ!?それを先に言え!
くそ〜〜、惜しいことした!
でも、下ネタ言う女の子、良いね!!」
「あなた何言ってるの!?バカ!!」
はい、ビンタされました。
何言ってるのはこっちのセリフだよ。
「俺ってなんでこんなカッコいいんだろうな!」
「知らないわよ」
「お、カッコいいとは思ってるんだ。
彼女にそう言われるのは嬉しいなぁ〜」
「うるさい」
俺たちはそのあと2人でソファに座って七海の制服とブラとパンツが乾くまで喋っていた。
「七海ってほんと面白いよな!」
「何が面白いかわからないけど、嬉しいわ」
嫌がらせから解放された彼女はよく笑うようになった。クールな子って何してもギャップ萌えになるのズルくね??
しかし、肝心のストーカーは全く解決していない。
俺の女にちょっかいかけるやつはぶっ飛ばしてやる!!!偽だけどな!!
そして彼女の制服とブラとパンツが乾いたので浴室で着替えてもらう。彼女が着ていた俺の黒のスウェット上下は洗濯カゴにポイ。
ん??もしかして、さっきまでノーブラ&ノーパンだったのか!?
その事実に気づくのが遅すぎた俺は、後悔しながら七海を家まで送っていった。
彼女の家に着いた。
「それじゃ、今日は本当にありがとう。蒼空」
七海は少し恥ずかしそうに言う。
この俺がサインに気づかないわけがない。
「お礼はいいってお前がかんばったんだから。
じゃあまた明日な、結愛」
俺がそう言うと彼女はニッコリ笑って家の中に入っていく。ふう、とりあえず嫌がらせの件は終わったな。
そして、俺は誰かから視線の感じるのだった。