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七河蒼空は、外見以外に問題あり  作者: とい
第2章 自称『完璧』な男の子VS通称『難攻不落』な女の子
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素直になれない女の子 最終話 これからも

 翌日。テスト最終日。


 テストの出来? 完璧ね!


 テスト勝負はなかったことにするんだからテストの出来は正直どうでもいい。


 気がついたけど私、テストの合計点で勝負するなんて言ってなかった。それなら誤魔化せかもしれない。


 私は今日の放課後まで再テストであろう彼を待つことにした。


 それまで生徒会の仕事でもしよう。




 放課後。そろそろ彼が再テストを終える頃。


 私は再テストが行われてる教室へ移動する。


 案の定、彼が教室から出てきた。


 2人で違う場所に移動する。


 絶対、私と友達になってもらうから!!




 勝負は彼の勝ちだと伝えた。


 勝負の内容は魅力があるかどうか。


 これは別に嘘じゃない。


 彼に近づく際に魅力があるかも調査しようと思ってたから。


 これを勝負内容に差し替えればボロは出ないだろう。





 彼は驚いて動揺を隠せないようだった。


 それはそうだ。だって途中まではテスト勝負だったけど私が無理矢理誤魔化したから。


 すると彼は自分に魅力があるかどうか執拗に聞いてきた。私はあると思ったと正直に伝える。


 そして予想外のことが起こった。


 彼が、急に泣き始めたからだ。


 普段の彼からは泣くなんて考えられない。


 でもこの泣いてる姿が、彼自身が他人に見られたくない隠してる部分の一部だと感じた。


 そして勝負に勝った彼が私に一つ命令してくる。


 私は正直この事を忘れていて、何を命令されるか不安になってた。


 え? まさか○○○とか、○○○○とか命令される?


 そして何故かそのことにドキドキしてた。


 ドキドキするって変じゃない!?


 エッチな命令されるの嫌じゃないの私!?


 初めてなのに!!


 そんなことを考えてた私は、彼が出した命令が理解できなかった。


   『勝負の件で隠してることを言ってくれ』



 そして私は勝負の件で隠そうとしてたことを全部見破られた。


 超恥ずかしい。隠そうとしてたことがバレたのが余計恥ずかしい。


 私は恥ずかしすぎて思わず彼を少し責めてしまった。


 さすがにこれくらいは許してほしい。


 でも、不思議なことがある。


 なんでこれを命令したのか。彼はほとんど私に話させる前に理解してた。命令の無駄遣いだ。


 そして私はさらに衝撃を受けた。




      『友達になってください』



       彼にそう言われたのだ。


    右手を差し出してくる。握手の形。


  今まで、全く考えが読めない相手がいただろうか。


  もしかすると悠凛先輩以上かもしれない。


  やっぱり私、彼のことを全然知らないんだ。


   七海なら、彼のこと知ってるのかな?


  ‥‥‥そう思うと何故か気持ちが落ち着かない。


  この気持ちが何かわからない。


  でも今まで感じたことがなかったことはわかる。


 たぶん、私がこんなにも彼に惹かれているから感じるんだ。


 友達になってほしいと言われたのは嬉しい。


 それが私の願いだから。でも、でも‥‥‥



          「‥‥‥やだ」




 彼から言われるのは、違う。


 それは、私から言う。言いたい。私から一歩を踏み出したい。


        これだけは譲れない。



        「な、七河蒼空くん」



 私は初めて彼の名前を呼んだ。どう呼べばいいのかわからなかった。七河だと悠凛先輩もそうだし、蒼空だと馴れ馴れしいと思った。だから呼ぶのを避けてきた。



  「私と‥‥‥!!友達になってくださいっ!!」



 そして私は、勇気を振り絞って言うのだった。




 その後に何故か彼が友達になることを躊躇ってきた。


 自分から言い始めたのに。もしかして過去に何かあった?


 でもなんとか説得して、私たちは友達になったのだった。


 まず呼び方を変えた。ニックネームって友達っぽい!


 彼のことをナナって呼ぶことになった。


 そして私はヒナと呼ばれる。


 愛称で呼ばれる事がこんなにも嬉しいなんて‥‥




 正直この時の私は舞い上がってたと思う。


 だって彼の頬にキスしてしまったのだから。


 ‥‥‥他の国だと挨拶でキスとかするし別に普通よね!


 そうよね!友達だから普通だよね!!


 私、あんたと友達になれて嬉しい!


 素直じゃないからめんどくさいかもしれない。大変かもしれない。でも、これからがんばるから!



   だからこれからもよろしくね! ナナ!!



    あんたに、問題なんてなかった!!!

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