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七河蒼空は、外見以外に問題あり  作者: とい
第2章 自称『完璧』な男の子VS通称『難攻不落』な女の子

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価値なんてない

 雛野が教室から去っていった。


 俺たち3人は教室に残ったままだ。


 「七河、あんたこれからどうするの?」


 「どうするって‥‥‥どうにかするに決まってるだろ」


 「大丈夫よ桜。私の蒼空なら解決できる」


 「あんたのその信頼はすごいわね。

  本当に一途ね。尊敬するわ」


 「高島、俺が恥ずかしいからやめて??

  結愛もそんな恥ずかしいことを

  平然と言うのやめてほしいんですけど??」


 「あら?そんなこと言って嬉しいんでしょ?

  本当に蒼空は普段素直じゃなくて可愛いわね♪」


 「だからそういうこと言うのやめて!?」


 「あんたたちがイチャイチャし始めたから

  あたしは帰るわ。目に毒だし」


 「その発言は納得いかないが、ありがとう高島。

  助かった。完璧な俺がこの恩は必ず返す」


 「相変わらずね。本当に自信満々。

  でもかっこよかった。見直した。

  あ、安心して結愛。

  あんたからこいつを取ろうとは思わないから」


 「桜!?」


 「ふふ、じゃあ帰るわ」


 高島はそう言うと教室から出ていく。あいつ、結愛を翻弄するなんてなかなかだな。敵には回したくないかも。


 ん? あれ? もしかして高島に褒められた?


 いや高島は俺を嫌ってるだろうしそんなわけないか。


 「今日は雛野にあっても話を聞いてくれなさそうだ。

  とりあえず帰るか」


 「今日は勉強しなくていいの?」


 「こんな状態で学校に残って勉強しても

  集中できない。家で勉強するよ」


 「たしかにそうね。それじゃあ帰りましょう」




 俺と結愛は教室にカバンを取りに行って、校舎を出て一緒に帰っている。そういえば一緒に帰るのは久々だな。


 「蒼空。今回の噂をどう解決するの?」


 「それはもう考えてある。

  でも外で話すと同じ生徒に

  聞かれるかもしれないから夜に電話で話すよ。

  それでいいか?」


 「わかったわ。そんなに蒼空が寂しいならいくらでも

  待ってるわ。電話がかかってくるのが楽しみね♪」


 ‥‥‥反論するのもめんどくさい。もう反論しなくていいや。


 こうして久々に結愛と一緒に帰るのだった。





 夜。勉強が終わったので結愛に電話をかける。


 「もしもし」


 「待ってたわ、蒼空♪」


 あの、ワンコール以内で出るってどういうことですか?この俺でもちょっと恐怖を感じてるぞ?


 「聞かせてもらいましょうか。

  蒼空が考えた解決法を」


 結愛がさっそく聞いてきたのでワンコールの疑問は置いといて、本題に入る。


 「ああ、俺が考えたのは‥‥‥」





 「‥‥‥という感じだな」


 「‥‥‥」


 結愛の反応がない。まあそうなるよな。


 「‥‥‥本気?それが解決法なの?

  正直に言うけどそんなことで解決できるとは

  思えないし、全く意味がないかもしれない。

  最悪の場合、ただ蒼空の評価が下がるだけの

  可能性が十分にあるわ」


 「それは百も承知だ。でもやるしかないんだよ。

  そもそも噂を完全に消すなんて完璧な俺にも

  不可能だ。時間もないし、

  この方法が1番良いと思う」


 「念のためもう一度聞いておくけど、

  本当にいいの?意味がないかもしれないのよ?

  蒼空の評価が下がるだけかもしれないのよ?

  それはあなたが最も怖がっていること。

  それでも、明日この方法でいくの?

  こんなこと言いたくないけど、雛野さんが

  言った通りにした方が効果が

  あるかもしれないのよ?」


 「‥‥‥ああ、結愛の言う通りかもしれない。

  意味がないかもしれない。

  評価が下がるだけかもしれない。

  雛野の言う通りにした方がいいかもしれない」


 たしかに俺が明日やろうとしていることはもはや作戦なんかじゃない。雛野と関わらないようになった方が解決できるかもしれない。でも、でも‥‥‥


 「‥‥‥でも、それじゃダメなんだ。

  もし雛野と関わらないようにして

  噂が消えたおかげで最終的に

  俺がみんなに認められたとしても、

  俺自身が俺を認められない。

  今の状態を見過ごして評価を守るほど、

  そんな評価に価値なんてない。

  俺は、ありのままの自分を認めて欲しいんだよ。

  俺はあいつを助けたいと思った。

  だからあいつを助ける俺を認めて欲しいんだ。

  本当の気持ちを隠して評価されても、

  俺にとっては何も意味がない。

  自分を曲げるくらいなら、嫌われた方がマシだ」


 俺は全部言い切った。結愛の反応を待つ。


 「‥‥‥やっぱり。あなたならそう言うと思ったわ。

  ごめんなさい、試すようなことをして。

  でも確認しておきたかった。

  あなたに覚悟があるのか。

  どうやら杞憂だったみたいだけど。

  もしかしたら明日、蒼空がすることは

  間違いかもしれない。

  でもこれだけは言える。

  あなたがどれだけ間違えたとしても、

  私はあなたを評価するわ。

  正しいと思うわ。すごいと思うわ。

  だって私はあなたのことを誰よりも愛していて、

  尊敬しているんだから」


 ああ、本当に結愛は俺のことをわかってくれているんだな。俺が言うことをわかっていながらわざわざ聞いてくれたんだ。俺のために。本当に結愛は俺にとって、特別なんだ。


 「結愛、ありがとう。

  でも尊敬されてるとは思わなかった」


 「そういえば言ったことなかったわね。

  あなたの生き方はとてもカッコよくて、可愛い。

  そんなあなたを尊敬するのは当然でしょ」


 「‥‥‥もう恥ずかしいからこれ以上はやめて」


 「もっと言いたいのに。

  まあ、恥ずかしくなってる蒼空に免じて

  許してあげるわ♪」


 本当に結愛は俺に対しての攻撃力が凄まじい。もはやこれは結愛の掌の上だな。


 それから少し話した後電話を切る。


 ありがとう結愛。気持ちの整理ができた。


 明日で絶対になんとかしてみせる。雛野に無視なんてさせない。助けてみせる。





        俺は、完璧だからな。


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