冗談が通じない相手に下ネタっぽいこと言いまくった
七海を助けたと思ったら、何故か彼女に巻き込まれてしまいました。しばらく行動を起こすの控えようかな‥
こうして学級委員が決まり、休み時間に入る。
彼女の席の周りにはクラスメイト、主に男子が集まっている。
俺は七海から少し遠くの席の自分の席に座って話を聞いている。
「七海さん!七河と付き合ってるってホント!?」
「はい。そうですよ」
七海はクラスメイトの沢田に聞かれたことを返す。
お前ほんと誰?
俺の時は散々罵倒してるじゃん!
「どっちから告白したの!?」
そう言うのは田中。
完璧な俺はクラスメイトの名前を把握しているのだ。
「それは内緒です。ご想像にお任せします」
微笑みながら七海はそう返事する。
いやお前ほんと誰!?
ゴミを見るような目は!?言葉の波状攻撃は!?
猫被りもここまでくるとむしろ尊敬する。
「これからは温かく見守ってくれると嬉しいです」
すげーエンジェルスマイル。男子たちが昇天しながら彼女の席から離れていった。
いや、なんで俺には聞いてこないの!?
クラスの女子〜!待ってますよ〜!
休み時間が終わる。来ませんでした。そんなに俺に話しかけるのに勇気いるのか。俺も罪な男だな。
そして学校が始まって3日目だから午前中で学校が終わる。
帰りのホームルームが終わると俺は、早速七海に話しかける。
「おい、なんで俺まで学級委員に?」
「七河くん。帰りましょうか」
俺の質問を無視して、一緒に帰るのを促してくる。
こいつ、面白いけど厄介だな!そこも魅力だけどな。
七海と一緒に帰る。恋人としての初下校だね!偽だけど。
「なんで私を助けようとしたの?」
七海は少し怒った様子で聞いてくる。そっか周りに人がいないから猫被りは解除されてるんですね。え、なんで怒ってるの?
「助けようとしたわけじゃない。
本当になんで完璧な俺を推薦しないか
気になっただけだ」
「ウソね。
あなたは自分が完璧だと言ってるけど、
他人の評価気にしてないでしょ?
自分が良ければそれで良いと思ってる。
あなたのそういうところ嫌いだわ」
この俺に対して辛辣〜。そこが面白いけどな!
「バレたか。ま、そこは彼女にカッコいい所
見せたかったということにしてくれ」
「あなたは本当に良い性格してるわね。
無意味ではあったけど私を助けようとしてくれて
ありがとう」
俺に向かって急な微笑み!?
辛辣からのデレ!
この女やりおる!!
普段モテモテの俺じゃなきゃ勘違いするぞ!?
「どういたしまして!
七海の彼氏は役に立つでしょ?」
「それはまだわからないわね。自惚れないで」
と思ってたらまた罵倒。
今日は辛辣要素が高い気がする。
「そういえば、お前って高島に嫌われてんの?」
七海は少し驚く。
完璧な俺はもちろんそれを見逃さない。
「‥そうね。なぜか嫌われているわ。
理由はわからないけど」
「そんなの七海に嫉妬してるからに
決まってるじゃん!」
「嫉妬‥?わたしのどこに??」
「そんなのいっぱいあるでしょ!
顔、髪、足、大きいその他とか
大きいその他とか!」
「後半はあなたの感想入ってるわよね?」
「いやいや!!女子もそう感じてると思うぞ!」
「なんか誤魔化されたけどわかったわ。
でも、そんなのどうすれば良いのよ」
「どうもしなくていいでしょ。
七海の外見や内面、大きいその他、大きいその他、
色々全てが七海自身のものだ。
気にする必要ない。今のままで良いんだよ」
「あなたの言い方に含みがありすぎる。
高島さんよりもあなたに恐怖を感じるわ」
そう言って七海は両手で体を抱きしめながら俺を睨んでくる。
うん、エロいな。いや、俺が変態とかじゃなくて!?
こうして七海と一緒に帰っていく。彼女の俺に対する好感度をどんどん下げながら。
なるほどな。七海は男子に人気な分、女子からは恨みを買っている感じか。俺と一緒じゃん!
ストーカーの件があるため彼女の家まで送る。
「ありがとね」
そう言って彼女は家に入っていった。
そっけないが、そこがむしろいい!
ストーカーの件はまだ全然わからないが、七海には冗談が通じないとわかった。
下ネタっぽいこと言いまくったのはこの俺の珍しいミス。
そして、もう手遅れだとすぐに理解しました。