どうでもいい
公園に着いた。ちなみに公園に向かう途中で雛野とは話してない。なんか話しかけるなオーラがすごかった。この俺が言うんだ間違いない。
「じゃあ私、ここで待ってるから」
雛野が公園のベンチに座る。
「わかった。何がいい?」
「なんでもいいわ。好き嫌いとかないし」
それが1番困るってわかってる!?しかも相手のことをあまり知らない状態でのなんでもいいは難易度が高すぎる!
「じゃあ俺が勝手に選んでくるわ。待ってて」
でも俺は完璧だから雛野が今欲しいのが何かを当たることができる!たぶん!
「お〜い、買ってきた‥‥‥」
俺が自販機で買った後に公園に戻ってくると、雛野が男に話しかけられていた。
「君、可愛いね!!何歳??」
「‥‥‥話しかけないで、時間の無駄よ!」
「はぁ?」
「あんたみたいな魅力のカケラもない奴と
話すのが時間の無駄だって言ってんの。
ナンパみたいな低俗なことする暇あるなら
もっと他のことに時間使いなさいよ。バカなの?
わかった??私に二度と話しかけるな!」
「こ、コイツ!良い気になってんじゃねぇぞ!」
「!離しなさいよ!!!」
ナンパ野郎が雛野の腕を掴む。
「お〜い!待たせた!」
さすがにもう我慢できない。今の状況では割って入るしかない。
「!遅いわよ!!」
雛野は俺に激怒。悪かったって。後で買ったやつ渡すから許して?
俺は雛野の腕を掴んでいるナンパ野郎の腕を掴んで振り解く。
「な、なんだおまえは!?」
「あ、コイツの彼氏なんですよ〜」
「!?あんた、何をー!」
「ところで、この俺の彼女に何しようとした?
まさかナンパなんてしてないよなぁ?
この俺の彼女にそんなことしてないよなぁ?
あんたの年で未成年に手を出すのは犯罪だよ??
彼女の証言もあるし今から交番行くか!!」
「ひ、ひぃ!!」
俺が掴む手に力を込めるとナンパ野郎はビビっている。
「わかった???わかったならとっとと失せろ。
今なら見逃してやる。
二度とこんなことするなよ。いいな!!」
「わ、わかった!!もうしない!!!
すいませんでしたぁぁーー!!!」
ナンパ野郎はそう言って走って逃げていった。全くどうしようもない奴だな。難攻不落の副会長がナンパで落とせるわけないだろ。
「遅いわよ!!」
雛野の第一声がこれ。うん、怖いです。あれ?もしかして助けなくてもよかったのか?
「悪かったって!はい、これ」
俺は雛野にレモンジュースを渡す。
「あ、あ、ありがとう‥‥‥
さっき助けてくれた件も含めて‥‥‥」
顔を真っ赤にしながら目線を外して言ってくる。デレの破壊力が凄まじいな!
でも、さっきのことに関しては雛野に言わないといけないことがある。
ナンパ騒動が終わった後、俺たちはベンチに座って飲み物を飲んでいる。
「なんで私がレモンジュース好きって知ってるのよ」
俺を怪しんでる目でそう話しかけてくる。なんで俺が怪しまれてんだ??
「え?この前俺に奢ってくれた時に買ってたじゃん」
「‥‥‥そんなこともあったわね」
よかった〜、納得してくれたようだ。
「あのことを覚えてたなんてね。
それにナンパ男に対して割り込んでくるなんて、
あんたなかなかやるじゃない!見直したわ!」
「‥‥‥」
「まあ、あの男は私1人でも
追い返すことはできたけどね!」
「‥‥‥おい」
「ん?なによ?」
「お前!!!本気で言ってるのか!!!?」
雛野の両肩に手を置く。
「!?な、なによ!!離しなさいよ!!!」
「お前さっきの状況わかってたか!?
今は夜で相手はお前よりも体が大きい男!
さっきの奴は俺の忠告で引いたからよかったけど
もし気性の荒い奴だったら危なかったんだぞ!?
それなのにお前は相手を挑発することばかり
言いやがって!!!」
「な、なによ!!私が悪いっていうの!?」
「お前が悪いだの誰が悪いだの
そんなことは今どうでもいい!!
自分に自信があって誇りに思うのは勝手だが、
自分自身を危険にしてたら意味ないだろ!!
お前頭いいんだろ!?
それなら危険な時は思ったこと言わずに
機転利かせて自分を守れよバカ!!!!」
「バカですって!?誰に言ってんのよ!!」
「お前にだよ!!雛野澪里に言ってんだよ!!!
もう一度言うぞ!!お前はバカだ!!!
自分に盲信して周りをバカにしてるのがお前だ!!
そしてさっきみたいに危険な時でも
自分の方が上だと思ってるから
危険だということにも気づかない!!
そんなお前はバカだって言ってるんだ!!」
「それならあんたも自分のことを完璧だって
言ってるじゃない!!
あんたにだけは言われたくないわ!!!」
「そうだよ!!俺は自分を完璧だと言ってるよ!!
でもそんな俺でもさっきの状況は
危険だと思ったんだぞ!!?
こんな俺よりもわかってないから
バカだって言ってるんだ!!!
少しは他人を気にしろよ!!
少しは後先考えて行動しろよ!
自分が好きなら自分を大切にしろよ!!
バカ野郎!!」
「‥‥‥」
‥‥‥あ。思ってたこと全部言ってしまった。しかも超気の強い雛野に。これはビンタじゃ済まないかも。
そう考え込んでいたため、気づくのに少し遅れた。
「‥‥‥っ、‥‥‥っ‥‥‥!!」
雛野が、涙を流していることに。




