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七河蒼空は、外見以外に問題あり  作者: とい
第2章 自称『完璧』な男の子VS通称『難攻不落』な女の子
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訪問者

 5月10日、火曜日。


 昨日の告白から次の日。


 中間テストが近づいてきた。5月18、19、20日の3日間だ。

 そのため部活動はテスト終了まで一時停止だ。ま、部活には入ってないから関係ないけど。


 昼休み。


 俺は今日も教室で、結愛が作ってくれた弁当を一緒にで食べて、そのあと他愛のない話をしていた。


 すると、この教室に訪問者がやってくる。


 「失礼するわ!」


 そう声がして、俺は声がした方向を見る。


 そこには、 2年生の中でも結愛と張り合うくらいの有名人がいた。


  2年3組、雛野ひなの 澪里みおり


 現生徒会副会長。


 つまり1年生の時点で副会長になったと言うことだ。


 カリスマ性があるのは間違いないな。俺くらいありそう。


 容姿は学年の中でもトップクラスで整っている。


 髪の色は黒と茶色の中間くらいの黒茶色。

 そして髪型はツインテール。

 ツインテール似合う人なんてなかなかいない。

 身長は少し低め。結愛よりまあまあ低い。


 うーん、スレンダーかな??

 いやセクハラじゃないからな!


 そして、とても気が強い。


 もちろん男子には人気がある。キツい性格も好みな人が多いらしい。本人は不名誉だと思っていそうだが。告白はバッサリと容赦なく断るらしい。


 ついた異名が『難攻不落の副会長』。


 ていうか恋愛とかに全く興味なさそう。


 「 2年1組、七河蒼空は今いる!?」


 いやフルネーム呼び捨てかい。聞いていた通り、気が強そうだな。気が強い女、嫌いじゃないぜ。


 彼女が俺を見つけてこっちに向かってくる。俺の席の前で立ち止まり、話しかけてくる。


 「あんたが七河蒼空よね?」


 「ああ。俺が学年1の有名人、七河蒼空だ」


 俺は聞かれたのでそう返す。すると


 「あなた、急に入ってきて何?

  しかも蒼空に何か用?」


と俺の席の近くに椅子を寄せて座っている結愛が言った。間違いなく機嫌が悪くなってるな。怖い。この俺が怖くなっているから周りも相当ビビってる。


 「あんたには用はないから静かにしてて。

  私が用があるのはコイツよ」


 「何ですって‥‥‥???」


 こ、コイツ結愛に対してすごい返しするな。


 気の強い女、嫌いじゃないぜ!!


 「あなたが蒼空になんの用?

  どうせ大したことないんでしょ?

  私たちの邪魔をしないで、空気読んで?」


 「は?あんたは関係ないって言ってんの。

  あんたこそ話の邪魔になるから

  どっか行ってくんない?」


 ‥‥‥これ、やばいのでは???


 なんか今の2人は目から光線出てそう!

 バチバチしてそう!ここだけ別次元なのか!?

 この2人最高に相性悪いな!逆にすごいぞ!


 これじゃあ話が進まない。俺の出番だな。


 「まあまあ、落ち着け結愛。

  怒ってたら、お前の魅力が台無しだぞ?」


 「‥‥‥そんな見え見えなお世辞に私が嬉しくなると

  思ってるの?‥‥‥〜♡」


 いや、超嬉しそうじゃん。俺から目を逸らしてるじゃん。顔真っ赤じゃん。可愛いじゃん。


 「へぇ〜、やっぱり噂は本当らしいわね」


 なぜか雛野は少し嬉しそうに言う。なんだ?完璧な俺でも情報少なすぎてわからない。


 「雛野。ここは人が多い。場所を変えて話そう」


 「そうね。周りには聞かれたくない話だし」


 雛野がそう言うと周りがざわつく。いや絶対みんなが思ってるような話じゃないだろ???


 「まさか告白じゃないでしょうね」


 結愛がそう聞く。超敵意剥き出しだ。


 「は?なんでこんな奴に告白なんて

  しなきゃいけないの。

  興味ないわ馬鹿馬鹿しい」


 「ならいいわ。蒼空、早く私の元へ帰ってきてね」


 言い方!誤解生まれるわ!!いやすでに誤解生まれてるか!


 「ああ、待っててくれ」


 そう言って俺は席から立ち上がる。


 「行くわよ」


 雛野はさっさと教室を出ていく。俺はその後をついていく。俺のことを配慮してないくらい歩くの早い。コイツ、良い性格してるな!




 俺たちがついたのは生徒会室。


 え?そんな場所でどんな話するんだ?


 「まさか他の生徒会役員はいないよな?」


 「いないわよ。

  なに?誰か会いたくない人でもいるの」


 良かった〜。いないなら良いわ。


 「いやそんなことない、ありませんよ??」


 「あっそ。じゃあ入るわよ」


 そう言って雛野は鍵を取り出して扉を開けて中に入っていく。俺も続いて中に入る。


 生徒会室なんて来るの初めてだな。この俺でも入る機会なんて今までなかった。なんかでっかいソファとかあるし超綺麗。広いし贅沢だなあ。


 そう思ってると雛野はソファに腰掛ける。


 座るよう促されたので俺は向かいのソファに腰掛けることにした。うん、座り心地超良い。


 「で?話ってなんだ澪里ちゃん」


 「勝手に名前で呼ぶのやめなさいよね!!」


 うわ、一応試してみたが最初の結愛と同じで冗談は通じないな。


 「冗談だって。話って告白じゃないんだろ?」


 「いつまでその話引っ張るのよ!

  あんた自惚れてるの!?」


 辛辣だ‥‥‥まあ告白じゃないなら良いや。


 「それで話って?」


 普通に雛野が俺に話す内容に興味を持った。だって今までまともに話したことなかったからな。



 「あんた、私と勝負しなさい!」


 「‥‥‥?」


 「聞こえなかったの!?

  あんた、私と勝負しなさい!!」


 「‥‥‥はい?」


 どういうこと??完璧な俺でも突然勝負しろとか言われたらこんな反応になるのは仕方ない。



 雛野澪里。今まで会ったことないタイプだな。


 俺は詳しい話を聞くことにした。


 コイツ、結愛に匹敵するくらい面白そうだ。



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