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七河蒼空は、外見以外に問題あり  作者: とい
第1章 学年一の美少女と。
24/60

完璧な俺でも波状攻撃を受け流すのは一苦労

 結愛に襲われて、誰にも知られたくないことがバレて、そして告白されてから1日経った土曜日の夜。


 完璧な俺は宿題をすぐに終わらせてのんびりしていた。この俺でものんびりする時はあるんだ。可愛いだろ?


 でも、今はこの俺がとても困っている。

 なんでもスマートに解決する俺が。


 俺は今、初めて自分の携帯をずっと放置したいと感じていた。完璧なこの俺が。理由はただ1つ。


 携帯の着信音が絶え間なく鳴り続いているからだ。


 相手は言うまでもない。俺は鈍感主人公を目指してるわけじゃないからな。


 俺は対応も完璧なのでその着信に出る。


 「はい。完璧イケメンの七河蒼空ですが」


 「あ、やっと出たわね? 出るの遅いわよ。

  それでもあなたは完璧なの?」


 うん、すごい言われようだ。誰のせいだと思ってんだ!!今日何回目だよ!?朝と昼にも通話したじゃねぇか!!毎回かけてくるなよ怖いだろ!?


 メンタル強い俺じゃなかったら携帯の電源切ってるぞ。


 「わざわざ電話して言いたいことはそれだけか?

  お前からの電話は嬉しいが

  完璧でモテる俺は忙しいんだ。

  結愛、それじゃ」


 「あ、ちょっ、、」


 通話を切る。うん、完璧な断り方だ!!さすが俺!!


 携帯を枕元に置こうとするとすぐにまた着信音が鳴る。


 お前めんどくさいな!?めんどくさいよ元カノ!

 偽だったけどな。


 この俺じゃなかったらもう受信拒否してるレベル。


 俺は性格良いからそんなひどいことは決してしない。

 性格良いからな。俺は仕方なくまた通話に出る。


 「なんだよ!お前は何はしたいんだ?」


 「わたしはただ蒼空と話したいだけよ。

  愛しているのだから、当然でしょ?」


 「お前はなに平然と言ってんだ!?

  メンタル強い俺じゃなかったら

  恥ずか死してるわ!」


 「あら、恥ずかしそうな声が聞こえてるけど?

  もう、あなたは本当に可愛いんだから♡

  早く蒼空を自分のモノにしたいわ♪」


 「‥‥‥」


 ‥‥‥こいつ、いつまでクールだったっけ?


 クールってなんだっけ?


 最近はツンツンクーデレだったよね??


 こんなデレデレだったっけ???


 完璧な俺でも反応に困るわ。


 「冗談よ。1割は冗談。

  私はあなたと話したいだけなのよ。

  私は一方的に拒絶された

  あなたの元カノだからね」


 「偽だからな!!?

  お前けっこう根に持ってんな!

  わかったこの俺が悪かったよ。

  完璧なこの俺が謝るんだ!

  ありがたく受け取ってくれ!!」


 「うん!嬉しい♡」


 本当に嬉しそう。え、なんで??


 こいつマジで手がつけられない。


 通話だけでこんなにこの俺が動揺してるなんて。


 マジで怖いよ!メンタル強い俺じゃなかったら誰かに相談してるレベルだ。


 いや、俺には友達いるからな?相談できる相手がいないから誤魔化してるわけじゃないぞ?


 それから30分くらい話をする。といっても結愛が一方的に話すのを受け答えも完璧な俺が返事をするだけだが。


 ずっと話していて満足したのか、


 「今日はありがとう。とっても楽しかったわ。

  嫌々言ってるけど結局私のことを、

  大切にしてくれる蒼空が本当に大好きよ♡」


 「それに、寂しがり屋な蒼空くんは

  電話してもらえて嬉しそうだしね♪」


 波状攻撃をやめろぉ!


 完璧な俺でも波状攻撃を受け流すのは一苦労なんだ!


 お茶目ポイント高いだろ!?


 結愛は俺以外の相手だったら間違いなく自分の虜にしていただろう。その点においては間違いなくこの俺よりも才能あるわ。この俺が認めるんだ間違いない!!


 そんなに同じ人にひたすら何回も好き好き言われたことねえんだよ。完璧な俺は照れてないけどな!


 早く返事しなければこいつの手のひらの上で踊ることになる。完璧な俺はそんなの絶対嫌だ!


 「あ、ああそうか。お前が満足したならよかったよ。

  話を聞くのも完璧な俺に感謝してくれ」


 「フフ、ありがとう。

  やっぱり優しさが滲み出てる。

  今となっては完璧と自分を褒めているのが

  可愛すぎる。好き♡、大好き♡

  また明日ね?蒼空、おやすみなさい」


 「あ、ああ。おやすみ」


 結愛が通話を切る。好きって言うの口癖なのか??


 とりあえず今日はもうかけてこないらしい。


 うん、もう3日くらいかかってこなくても大丈夫だぞ。


 別に結愛の電話が嫌とは言ってないぞ!


 俺はふと気づく。


 ん????また明日?????


 まさか、明日もかけてくるのか?

 明日は日曜日だぞ?


 結局、翌日の日曜日も同じように着信が来るのだった。


 実は結愛は土日で俺の家に泊まりたいと言ってきたが、告白を返事を待ってもらっているのにそんな期待させるようなことをするのは最低だと思い、ちゃんとこの理由を言って断った。


 ちなみに結愛はこう返してきた。


「私は別にいいのに。

 でも、蒼空の真面目なところ、好き♡」


 さ、刺さる‥‥‥。刺さりまくる。


 結愛はこの俺を動揺させる天才だ。




     これ、デレデレ超えてるよね??



    明日からの学校、、、やばくない???



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