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七河蒼空は、外見以外に問題あり  作者: とい
第1章 学年一の美少女と。
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気が強い女、嫌いじゃないぜ

 俺は七海にさっきの告白現場を撮られていた。


 「なんで撮ったんだ??」


 「あなたに頼みがあるからよ。これはその保険」


 保険っていうか弱み取ろうとしてるよこいつ。


 「これで、話を聞いてもらえるかしら?」


 「‥‥‥」


 「ちょっと、聞いてるの?

  そんなに撮られるのが嫌だったわけ?」


 「ハハハッ!!面白い!!!」


 「は?」


 面白い!本当に面白い!相談に乗る前に事前に弱みを握ろうとする気の強さ!!


 俺は気が強い女、嫌いじゃないぜ!


 「面白いな〜!!

  こんなに面白い女は久しぶりだ!!

  別に告白現場撮られたところで

  完璧な俺はどうでもいいが七海を気に入った!

  この俺が直々に相談に乗ろう!!」


 「そ、そう?あなたってとても変な人ね‥」


 いきなり弱み握ろうとしたお前にだけは言われたくないわ!


 「まあいいわ。頼みを聞いてくれるなら」


 「完璧なこの俺に頼みってなんだ?」


 「いちいちウザイわね‥一から説明するわ」


 前の言葉必要だった???


 だが美人からの辛辣な言葉!!ウゥ〜効くぅ!




 七海の話はこうだった。


 誰かからストーカーされてるのかもしれないと。


 最近は違う高校の生徒が後ろをついて来ている気がしたらしい。


 「そこで、あなたには私の彼氏になってほしいの」


 「え!?俺のこと好きなら素直に言えばいいのに!」


  「冗談はよして。私が言ってるのは偽の彼氏よ。

   私は女子だからストーカーが男だと

   不安が大きい。そこであなたの出番。

   彼氏ができたとストーカーが知ったら

   痺れを切らして私の前に現れると思ったわけ。

   そもそもそれでストーカーを

   辞めてもらえれば万々歳。

   もし私の前に現れた時、

   あなたが助けてほしいの。

   あなたは完璧なんでしょ?」


 「お前、そんな話し方だったっけ??」


 「私、学年一の美少女とか言われてるでしょ?

  普段は猫かぶってるのよ。

  だから私に釣り合いそうで、

  私の本性を広める相手がいない

  ボッチである、あなたが適任なのよ」


 「は??俺、ボッチじゃないぞ??

  俺に話しかける人が緊張して

  恥ずかしいからと理由で話しかけられないだけで」


 「過程はどうあれ、それはボッチでしょ」


 ひどい。俺泣いちゃうぞ。いや俺はメンタル強すぎるからこの程度で泣かないけどな!


 「とりあえず不満だが、事情はわかった。

  協力しよう。でもお前は良いのか?

  学年一の美少女とか言われてるのに

  偽でも彼氏を作って」


 「それも含めてあなたが適任だわ。

  あなたみたいにいい加減な人だと、

  私の悩みが解決した後に別れたことにしても

  私が悪いってことにはならないでしょ」


 「とりあえず超不満だが、了解だ。

  それで解決方法はなんだ?」


 「そうね‥私をストーカーしている張本人が誰か

  わかることかしらね。

  おそらく他校の生徒だから学校に報告すれば

  解決かも」


 「あい了解した。もちろん報酬あるよな??」


 「報酬は用意するわ。

  頼んでいる私が言うのもあれだけど、

  あなたって良い性格してるわね」


 「だろ?俺のチャームポイントさ!

  それで報酬はこっちが決めていい?」


 「とりあえず聞かせて」


 う〜んどうしようか。お金とかは違うな。さすがにそれは外道だわ。


 そうなると七海本人に関わることでいいか。


 「決まった!!じゃあ胸を揉ませてくださー」


 「却下」


 「それじゃあ頬っぺたにキスってのはどうでー」


 「却下」


 「却下」


 「何も言ってねぇよ!!!全部却下する気だろ!!」


 「あなたが最低だとわかったからよ。

  最低なあなたの口から出る要求なんて

  最低に決まってるわ」


 辛辣〜‥切れ味やばくね??この俺でも受け流すのが精一杯とは、やるな!!!!


 「じゃあ、完璧な俺と友達になってくれ」


 「‥さっきに比べてずいぶん軽い要求が来たわね。

  なんでその要求になったか教えてもらっていい?」


 「それは‥お前は面白い女だから、かな。

  胸を揉むとか、頬っぺたにキスとかは

  もちろん捨てがたいけど、お前みたいな

  面白い女と一度きりの関係で終わるのは

  惜しいと思った」


 「言い方が腹立つし、気持ち悪いけどわかったわ。

  あなたってやっぱり変な人ね。

  いいわ、この件が終わったら友達になってあげる。

  感謝してよね」


 そう言って彼女は笑う。

 うん、可愛い!!絵になる!!!


 んん?感謝???


 「感謝するのはお前だぞ!?

  お前が散々要求を断るから妥協してるんだ!!

  しかもこの俺の友達第一号になれるんだからな!」


 「ボッチと認めたわね」


 あ‥み、認めてないから!みんな俺のことが好きすぎて話しかけてこないだけだから!!


 これが、昨日の出来事。俺が七海と偽恋人になった経緯。



 あれ?罵倒されていただけな気がするんだが???



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