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七河蒼空は、外見以外に問題あり  作者: とい
第1章 学年一の美少女と。
18/60

完璧な俺と、

 人からずっと欲しかったものをもらえた。俺は泣いていた。ひたすら泣いていた。


 泣いている俺を、七海が抱き締めてくれる。


 またもやひさしぶり、双頭の巨乳。


 俺、元カノに励ましてもらうなんてダサいよな。




 何分そのままの状態だったかわからないが、俺は泣き止んだので彼女から離れる。


 またもやバイバイ、双頭の巨乳。


 「ありがとな、こんな姿見せたくなかったけど」 


 そう言った直後、七海が頭を下げる。え?なんで?


 「ごめんね。私が最初提案した時に

  別れたいなんて言うから

  あなたに辛い目を背負わせちゃって。

  本当にごめんなさい。

  私にできることならなんでもするわ」


 だから、女の子がなんでもするって言ったらダメでしょ、変な想像しちゃうでしょ!?まあ俺は完璧だから想像なんてしないけどな。


 「大丈夫だ!俺は完璧だからな!

  それにーいやなんでもない!

  さすが自他共に認める完璧イケメン!!」


 「そうね。自信満々なのは結構だけど、

  他人に認められるのは困るわね」


 「いやもう認められてるから!」


 「そうかしら??」


 「ああ、俺は完璧だからな!」


 「‥‥」


 ついに無視??




 「さあ、依頼の報酬をもらおうか!」


 「そういえばそうだったわね」


 七海はそう言って微笑んでいる。これならいけるはず。


 よし、言うぞ!!




 「七海!完璧な俺と、友達になってください!」




 そう言って俺は右手を差し出す。握手の形だ。


 七海は自分の手を俺の手に伸ばしてくる。


 これで完璧な俺に初めて友達ができる!!

 俺の友達第一号だな!よろしくな!



         そう思っていた。




          「!?」




       七海に右手を弾かれるまでは。



  俺は訳がわからなくなる。え、なんで???




     気づくと七海に押し倒されていた。



   不意を突かれた俺は背中から地面に倒れ込む。


 結愛はその俺の上に跨ってくる。馬乗りだ。



   そして彼女の顔が俺の顔の目の前にある。


       彼女は目を瞑っている。



          唇が暖かい。


     「…ん、ふぅ、ん…んぁ…♡」


          「んぅ!?」


     彼女の吐息がすぐ近くで聞こえる。


    どうやら、唇と唇がくっついてるらしい。



    え!?ちょ、はぇ?これ、キス!!!?


     七海がひたすら俺の唇を貪ってくる。


         「〜〜〜〜♡」


         「〜〜〜!?」


     この俺の唇になんてことを!!!?


      え、ちょ、うぇ?は?


    この俺が訳がわからないだと!!!!?



        頭が真っ白になる。


        「‥‥‥ん〜♡」


         「〜〜ん!?」


      気づくと口内に舌が入ってくる。


      ちょま、うぉ、は?し、舌!?


   「あむ…♡んぅ、ふぅ…♡ぁむ…じゅる…♡」


  ぬるぬるとした七海の舌が俺の口内を舐め回す。


 まるで舌という軟体生物が俺の口内で暴れているかのように。蹂躙されている。されるがままになっている。


 七海は舌で口内を舐め回すだけでなく、俺の舌に自分の舌をぶつけてくる。そして絡めてくる。


   「…んむ、ぇる…れろぇろ‥ぁむ…ふふ♡」


   ふぇ、その、うぇ?ひぇ?意味わからん!!!


  俺はなんとか手で彼女の肩を離そうとするが横になっているので思ったより力が入らない。


     完璧な俺が完全に力負けしている。


     七海の力は信じられない強かった。


 まるで今のキスをずっと続けていたいかのように。


    口を離したくないかのように。


    七海の唾液の味がはっきりわかる。


  とても甘美な味。今まで経験したことのない蜜。


   病みつきになりそうなくらい中毒性がある。


  そして俺はもう悟った。襲われているのだと。


 彼女の力が信じられない強いので、俺は自分から離れることができない。


 俺は七海が満足するまで、ずっと唇を貪られていた。


      完璧な俺、女の子に襲われた。





      何分経ったかわからない。


     こんな感覚は今までなかった。


  「ん……じゅる、……ぷはぁ♡、はぁ、はぁ」




      「ふふ♪、ごちそうさま♡」



       七海はようやく唇を離す。


       互いの唇から糸が伸びる。


     それは深いキスをしていたという証。



      「な、何するんだよ‥‥‥」


 俺はまともに息ができずにいたので相当息が上がっている。七海も同じようだ。顔が赤い。おそらく俺も同じなんだろう。


 言うまでもなく、俺の口の周りは唾液でベタベタだ。


 もちろん七海も。その光景はとても扇情的だった。


 なんか途中からは、上にいた七海にひたすら彼女の唾液を飲まされた気がする。


 衝撃的すぎて逆に覚えてない。この俺が自分が何を言ってるかわからない!


 七海は微笑みながらペロッと舌なめずりをする。まるで先程のキスを忘れたくないかのように。


 うん、色っぽい。もうこんな感想しか出てこない。


 七海はようやく話し始める。


 「返事をしてなかったわね。

  もうわかると思うけど、友達なんて嫌よ」


 うん、もう十分にわかった。


 できればそれを前に言ってほしかった。


 完璧な俺でも、この状況はどうしようもない。




 この俺が勇気を出して言って、成功するはずだった。


   完璧な俺と友達になってください、失敗。


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