お茶目なところもある
依頼達成だな。さすが俺、スマートだぜ!!
「そら!!!!」
後ろから声がする。結愛が俺の方へ走ってくる。これはハグ確定だな。
俺は結愛の方に振り向いて両手を広げる。結愛が俺の目の前で止まる。
そして、ビンタをされる。
「いってぇ!なんでここでビンタ!?」
完璧な俺でもさすがにビンタは予想外。
「バカ!!!
なんで私に何も言わずに解決しようとするの!!
しかも私のせいで蒼空が殴られて!!!」
結愛はそう言って泣き始める。俺、結愛に泣かれると弱いんだよな。彼氏ってこういうものか?
「殴られる??何のことかな??
これは木の上で降りれなくなっていたネコを
助けるためにできた傷だよ??」
「七河。七海にあんたが殴られてるのを
知らせたのはあたし。
そんな嘘つく必要無いわよ笑笑」
「高島!何勝手に教えてんだ!?
その感じだと俺が一方的に
殴られたみたいじゃねえか!!
俺の圧勝だったわ!!!」
「へ〜息も絶え絶えで苦戦したとか言ってたのに?」
「お前もう黙ってて!?」
結局、結愛に知られたくないことのほとんどを暴露されまくった。カッコ悪いよ俺。
そう思ってると結愛が俺に抱き着いてくる。
「今は、私優先にしてよ‥‥‥」
「お、おう」
え、可愛いすぎないか??
「悪い高島!彼女に優先してと言われたから
お前先帰っていいぞ!協力サンキューな!」
「わかったわよ。相変わらず自己中なやつね。
まあ今日のことは誰にも言わないから安心して」
それなら助かるわ。言われたらさすがの俺でも大変だし。結愛にも迷惑をかけることになるし。
「けどこれだけは言わせて!
改めて2人ともごめんなさい!
あんたたち2人は誰よりもカッコいいわ!
許してくれとは言わない。
そんなおこがましいことは言えない。
でも、あたしはあんたたちを尊敬するわ」
そう言って高島は先に帰っていく。
俺、尊敬するなんて初めて言われた気がする‥
もしかして高島もデレた????
「痛い痛い!」
そう思ってると結愛に頬をつままれた。
痛いけど、、、、なんか痛くないです!
「だから、今は私優先!!」
上目遣いで結愛は言って再び強く抱きしめてくる。
お、おう‥か、可愛すぎんか??
こうして結愛に抱きしめられながら、俺はそんなことをしばらく考えていた。
双頭の巨乳、ひさしぶり。
「本当にありがとう」
結愛がそう言ってくる。
「何のことだか?俺は用事済ませて帰ってたら
たまたま結愛を見かけただけだぞ??」
「もうわかってるから、誤魔化さないで」
強く抱きしめてくる。ちょっと痛いかも‥。
それにバレてるのも普通に恥ずかしい。
「なあ、結愛」
「なに?」
「お前が周りを気にして
猫をかぶっているのはわかるが、
俺は本来の結愛でも良いと思うぞ」
「!!、そ、そうかな」
「ああ!!だって面白いし!
生き生きしてるし!可愛いし!
お前はみんなに好かれるのは間違いない!!
だって面白くて良い奴なんだから!
完璧な俺がそう思うんだ!
そんなお前が周りに合わせる必要なんて
ないんじゃないか?
もっと自分を出していこうぜ!
そう、この俺みたいに!!」
「途中と最後の一言は必要ないと思うけど、
蒼空に言われると勇気出た。
すぐには無理かもしれないけど、
いつか本当の自分を隠さずにいくわ。
‥‥‥あなたみたいに、ね」
「さすが俺の彼女!
まあ本来の結愛の方が反応良いし!
可愛いし!色気あるし!」
「!!、もう、知らない!!」
結愛はそう言って俺の胸に頬を押しつけてくる。
うんうん、可愛い。
そうだ。
お前は周りに隠さなくてもいいんだ。俺と違って。
抱きしめられたまま数分が経った。
人気が無いといっても多少は人が通る。当然通行人の視線が刺さって痛い。
「あの〜結愛さん‥?そろそろ離れてもらっても」
「ダメ」
即答かい。
けど今はいいか。理想の彼氏の俺は相手を配慮することができるからな。
「私とくっついているのがそんなに嫌なの‥?」
そんな可愛いことを上目遣いで言わないでください。
この俺がドキっとしたじゃないか。
「そんなことないよ。
だって結愛の泣き顔、超可愛いし。
汗かいたのか知らないけどいい匂いするし!」
「何言ってんの!?バカ!!!!!」
はい。結局ビンタされて離れることはできました。
俺、ビンタ慣れしてね????
その後、俺と結愛は一緒に帰っていると結愛は少し顔を赤くしてこう言ってきた。
「今日、蒼空の家に泊まっていくわ」
「なぜに!?」
「あなたが殴られたのは私のせいだから
手当てくらいさせて。
このままあなたに何もしないのは
私の気が済まない。
それに‥‥‥今は私の彼氏でしょ‥‥‥?」
結愛は隣で俺を見上げて首を傾げながらそう言ってくる。少し不安そうな顔で。
なんか破壊力がどんどん高くなってますね。ツンツンしてたのいつだっけ??
「あいわかった。
もう結愛の依頼も解決して偽恋人も終わるし!
せっかくだから最初で最後の偽彼女の
手作り料理も食べたいしな」
「‥‥‥そうね。せっかくだし作ったあげましょうか」
やった!学年1の美少女の手作り料理!楽しみだなぁ!
そういえば結愛はカバンを学校に忘れていることに気づき、一緒に学校まで取りに行った。
お茶目なところもあるんだな、結愛。




