完璧な俺と面白い女
『七河蒼空は、外見以外に問題あり』
本人の俺は、この悪口を否認しています。
被害者なのに容疑者みたいになっちゃった!
俺を大好きなみんな!こんにちは!
張本人、七河 蒼空です!
こんなこと言う人はおそらく俺に対しての照れ隠しだと思ってます!
だって、俺はこんなにもカッコいいから!!
顔はもちろん超絶イケメンで、背も高い!
そして頭脳明晰、運動神経抜群!
いや〜完璧すぎだな!
そして、こんなひどい悪口言われていても
華麗にスルーできる、器の広さと性格の良さ!
しかも、名前までカッコいい!
こんなにカッコいい名前にしてくれてありがとうご両親!!
そんなことを思いながら、俺は『学年一の美少女』と名高い、七海 結愛と廊下を歩いている。
すっげえ視線だ!そりゃあそうだ!
こんなにカッコいいと俺と美少女の七海が一緒に歩いてるんだから!
しかも苗字に同じ漢字が入ってる!
しかも河と海だしな!
これは、俺たち付き合う運命だったんだ!!
まあ、偽恋人なんですけどね。
このようなことになっているのは、それはそれは、浅〜いわけがございます。
そのわけを説明するために、昨日を振り返ってみよう!
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放課後、校舎裏での出来事。人気が全然ない。
つまり今からあれを行われるための場所としては最適。
あ、健全だよ???今から行われるのは超ピュア。
俺の前には1人の女の子がいる。
とても緊張しているように見える。たまにチラチラとこちらを見てくる。頬が赤い。手でスカートをギュッと握っている。俯いている。
俺はこの子が俺に対して何を言おうとしているかわかる。なぜなら俺は相手の考えが読めるからだ!
あれが下駄箱に入ってた。
あれによって放課後にここに呼ばれた。
そして女の子のこの態度。
そこから考えられる結論はただ1つ!
「付き合ってください!!!!」
やはり愛の告白だ!
俺は相手のことを考えながら丁寧に返事をする。
「ごめん!!!俺は自分しか好きになれないんだ!!
だから君とは付き合えない!!
時間の無駄になる!
次の恋を探してくれ!!!」
そう言うとビンタされる。女の子が涙を流して走って去っていった。
何年生だろ。さすがにこの俺でも初対面の子が何年生かまではわからない。
俺はいつも申し訳なくなる。
女の子を泣かせるのは俺の趣味じゃないのに!
モテるってつらいな。俺だから仕方ないか!
俺、今まで何回ビンタされてきただろう。
丁寧に告白を断っているだけなのに。
俺が悪いのかな?いや悪くない!!
今日は高校2年生になって2日目。
帰ろうとすると下駄箱にラブなレターが入っていて、
今、その子にビンタされたところだ。
俺、七河蒼空は非常にモテる。
当然だ!俺は完璧だからな!
髪も黒髪でサラサラしてるし、女の子から嫉妬されちゃいそう!
おかげでかなりの頻度で告白される。
告白される。
相手を考えて丁寧に断る。
ビンタされる。
その繰り返し。もう数え切れない。
俺が悪いのかな?いや悪くない。
ただ俺が罪な男なだけ!
そんなことを思ってると後ろから声をかけられる。
「ひどい振り方ね。あなたは女の敵よ」
ひどい!?完璧な俺の告白の振り方がひどい!?
しかも刺さる〜!すげぇ言われよう!!
そんなひどいことを言う人を覚えるために振り返る。
そこには今年から同じクラスになった学年1の美少女と名高い、七海 結愛がいた。
七海結愛は一言で言うと、、、、、、、、
黒髪ロング巨乳の美少女!!
いやセクハラじゃないから、男子どもはみんな言ってるから。
鮮やかなで触り心地の良さそうな黒髪は
背中くらいまである。とても綺麗で美しい。
片方の耳の周辺にヘアピンをして髪を留めている。
とてもオシャレで可愛い。
顔のパーツは全て整いすぎててやばすぎる。
身長は女子の平均より少し高いのかな?
そして、巨乳!おそらくDかE!
俺ともなると人目見ただけでわかるんだよなぁ!
いや、変態じゃないからな!
こんなに自分自身が好きな俺でも本当に美少女だと思うくらいだ。俺と似たタイプかな!高嶺の花!
そして『学年一の美少女』と呼ばれている。その呼び名に相応しいと思う。この俺が言うんだ間違いない!
「な〜んだ!!結愛じゃー」
「名前で呼ばないで」
怖い。この俺のお茶目な冗談が通じない。
メンタルも完璧な俺じゃなかったら逃げてそう!
「冗談だよ。つれないなぁ。
ところで、今の告白現場を
なんで携帯で撮ってたんだ?」
こうして完璧イケメンの俺と面白い女、七海結愛が出会った。