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第62話 ルークのレベル上げ第二弾

 翌日レオンはルークと共に塔の入り口に運ばれてきた朝食を食べ終え、すぐに騎士団のもとへと向かった。ルークの光魔法を搾取させないための行動だったが、要件はレオンが思っていた以上に簡単に終わった。すでにルークの代わりに聖女マリーが怪我をした際は全員治療するとい言う話になっていたのだ。


「なるほど。魔法はレオンも言っていたが実際に使うことでレベルが上がっていくみたいだからね。私も彼らの怪我がそのままになってしまうのは心苦しかったから、何よりだね。」

「まあ、そうですね。マリーがやるって言うならやらせておきましょう。では早速今日からお兄様のレベル上げを」

「ああそのことなんだけどね、モンスターを倒すなら前のように最後だけやるのではなく、最初から戦ってみたいんだけど、どうかな?世界樹に私も一緒に行くなら、実践に慣れておいた方がいいだろう?」

「それはそうですけど、でももしお兄様が怪我でもしたら・・・」

「レオン様は心配性ですね。ルーク様だってそんじょそこらの冒険者よりもすでにレベルも高いですし、ホーンラビットくらいなら瞬殺ですよ〜。」

「うん、頼むよレオン。」

 ルークはレオンがルークの顔面の威力に弱いことを知っていて、あえて上目遣いにし、愛らしさが倍増する八の字眉でレオンを見つめた。


「・・・分かりました。では世界樹への入り口にもホーンラビットがいたはずなので、そいつとやりましょう。一旦俺もお兄様の光魔法を複製したのでヒールが使えますから、少しでも怪我をしたら俺に言ってください。」


 3人は世界樹の入り口のある学校内最奥にある神殿へと向かった。本来神殿の前にいる門番によって容易に立ち入ることは許されない場所であるが、校長からの指示が伝達されており、無事に入室することができた。


「ここかい?」

「ええ、この神殿の奥から・・・ありました。この扉から世界樹まで行くことができます。今は世界樹に汚れが集まり、モンスターも増殖しているはずなので、入り口付近でも危険ですので、十分に気をつけてくださいね。」

「ああ、分かったよ。」

「では、行きますよ。」


 レオンが扉を開けると3人は眩い光に包み込まれ、光が落ち着き目を開けると、薄暗い洞窟のような場所に立っていた。後ろには先ほど入ってきたと思われる扉が立っている。

「・・・転移系の魔法アイテムかな。こんなものが存在するなんて、面白いね。おや、それはルークライト、かな?」

「もう、お兄様、揶揄うのはよしてください。」

 レオンが洞窟内に灯りを灯すと、目視できる範囲でも至る所にスライムがウニョウニョとうごめいていた。


「スライムでは大した経験値も取れませんので、先に進みましょう。」


 30分程歩くと、時折レオン達の周りをザッザッと言う音が囲うようになった。レオンは音が鳴る前から鑑定スキルで周囲にいるモンスターの存在を把握していたため、驚くことなく目的の場所で歩みを止めた。

「・・・ここにホーンラビットがいるんだね?」

「はい。周囲に5匹程いますね。」

「分かった。ではレオンには申し訳ないが私が戦うのを見ていてくれ。剣を扱うのは随分久しぶりになってしまうからね、変なところがあったら遠慮なく言ってくれ。」

「分かりました。俺とフェルは空中で待機します。<暗黒球ダークスフィア>。」

「へーそんなこともできるのか。面白いね。」


 暗黒球ダークスフィアは近くにいる物体をレオンが作り出した黒い球体で包み込むもの。包み込まれたものはレオンの許可なく外に出ることはできなくなる攻撃魔法の一種だが、この球体はレオンの意思に従って操ることができるため、自分自身を入れると宙を浮いていられることが叶うのだ。


「お兄様、来ます!」

「おっと・・・!ふー体は小さいけど、反動をつけて突進してくるから結構早いし重たいね。うん、でも大丈夫動きについていけそうだ!」

「お気をつけて!!」

 

 それからルークが倒れるまでホーンラビット狩りは続いた。

「お兄様、大丈夫ですか?一応ヒールかけますね。<ヒール>」

「ああ、ありがとう。久しぶりだから疲れたけど、なんとかレベルも上がったようだね。レオン、ポイントはどこに振り分けたらいいかな?」


 レオンはルークからの問いに一呼吸おき、答えた。


「・・・光魔法は今使ってみて分かりましたが、やはり一度使うだけでも他の魔法とは比べものにならないほどに魔力を消費しています。」

「僅かばかりMPを増やしたところで、私が光魔法を使うようになるのは難しいってことだね。」

「・・・はい。お兄様は本来INT(知力)が高いので魔法自体を覚えることは容易にできるはずですが、恐らく光魔法のMPの消費量に伴わないため新しい魔法が覚えられないのかと。俺の複製スキルをお譲りできれば良かったのですが、すみません。」

 そう、フェルからもらった複製スキルはオリジナルのフェルからも生涯に1人だけ複製スキルの複製、つまり譲渡が可能だったが、そのコピーであるレオンの複製スキルではそれができなかった。


「何も問題ないさ。計画通りマリーの光魔法を規定のレベルに達したら複製しよう。そうだな、もうATK(攻撃力)はある程度高いから、DEF(防御力)とAGI(素早さ)を中心に上げていくのはどうだろうか?私はHPもレベルが高いのに人並みだからね。防御力が高ければそれだけ傷つきにくいだろう?」

「良いと思います。お兄様はとても軽やかに攻撃されていますし、すでにホーンラビットの動きを目で追えるだけの身体能力もありますので、基本はDEFに振り分け、AGIも少しずつ上げていきましょう!」

「よし、じゃあ今回の女神の加護は8:2で振り分けるね。」



 振り分けが終わるとルークはすぐにまたやろうと言い出したが、レオンはそれを止めた。

「一度にたくさんやってはお身体に響きます。それに俺の記憶が正しければ、一度狩ったモンスターはステージを変えないとリポップ、再度出現しません。ここは入り口なのでまた扉を潜らないといけませんし、今日はここで一旦やめておきましょう。」

「・・・レオンが言うなら仕方ないな。じゃあ帰ろうか。」



 レオン達が扉に向かうと扉の前が騒々しくなっていた。


(まさか・・・)

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