番外編:フェルの言いなり
番外編です。フェルとの夜の関係を書いてますので抵抗のある方はスキップいただいても本編に差し支えありません。
「レン〜。」
「おい、フェル変な声を出すな。また授業を抜け出してきたのか?」
ルークがいなくなってからもレオンとフェルは、ルークの手筈通りマナーなど貴族として当たり前にできること、知っていることを勉強していた。
特に体は大人でも幼いフェルにとって、座学は苦痛だったようで、言葉を学ぶ段階で度々授業を抜け出していた。
「レンだって授業受けてないくせに。」
「俺はいいんだよ。」
レオンはルークがいた1年間は真面目な態度をとっていたが、いなくなってからはすぐにワガママ放題、やりたくないことは一切しないという態度をとっていた。授業もまともに受けたことは数えるほどしかない。
本を読めば学べるようなことを、何時間も明らかに嫌そうな態度を取る講師たちから聞くのが嫌だったこともあるが、それはレオンのステータスが世間に明るみになったとしても、ルークの方が当主に相応しいと思わせるためでもある。
「俺は俺のやりたいようにやる。ちゃんと授業の内容は把握してるし、問題ないのさ。でもフェル、お前は自分で本を読んだりしないじゃないか。しっかり講師の話を聞いておけよ。」
「だってあの男フェルのこといやらしい目つきで見てます。いつか手が出てしまいそうです。」
「まぁ本当にお前に嫌なことをしそうになったら殺さない程度に抵抗していいよ。でもおかげで随分言葉も上達したじゃないか。」
フェルは元々無口だと思っていたが、単に言葉を知らなかっただけのようで、屋敷に来て言葉を学ぶと随分と口が達者になった。
「レン、授業受けたらご褒美欲しいです。」
「・・・分かったよ、夜に部屋においで。」
パタパタと尻尾を振りながらスキップ混じりにフェルが講師の元へと帰って行く。
このフェルの言う“ご褒美“とは所謂夜の行為を指している。
いつだったかフェルの銀狼としての遺伝子が強い異性を求め出し、レオンはそれに抵抗せずに応えた。
(前世は女だったからか、娼婦のお姉さん達を見てもなんとも思わなかったけど、身体は男なんだな。ちゃんと反応するし、自分自身喜ぶフェルをもっと喜ばせたいと感じている。これが男の性というものなのかな)
他の男の行為がどのようなものかはわからないが、レオンはフェルが喜ぶままに、して欲しそうなことを精一杯努めた。フェルは強い力を持つレオンがこの時間だけは自分のことだけを考え、感じ、2人だけの世界になることが嬉しく、この行為にどんどんとハマっていき、事あるごとにレオンに求めるようになっていた。
「レン、今日もすっごく気持ち良かった。レンも気持ち良かった?」
「フェルが気持ち良いなら俺も気持ち良いよ。ほら、風邪引くといけないからちゃんと布団をかけな。」
「えへへ。おやすみなさい。」
本来であれば奴隷が主人の部屋で、ましてや同じベッドで寝ることなど許されないのだが、レオンも行為の後に部屋に戻りたがらないフェルを受け入れ、何度も朝起こしにくるメイド達を驚かせていた。
フェル以外の言うことは聞かないこともあり、いつしかレオンは屋敷内で“獣人好きの変態俺様王子“と呼ばれるようになっていた。
(俺様王子はいいけど、変態は余計だろ・・・)
そんなレオンの苦労などフェルは一切気にする様子もなく、
「レン〜今日も・・・」
とおねだりをし続けるのだ。
「昨日したから今日はダメ!」
「ヤダ〜!!レン〜!!」
「あ〜〜もう!仕方ないな!」
こうして今日もまたレオンは主人にも関わらずフェルの言いなりにされるのだった。




