はじまりの試練. 死と救済と異世界
東京・三塚高校に通うラノベが大好きな高校2年生、春日井 慎は、特に何もない平凡な人生を送っていた。
ある日、いつも通りお気に入りのラノベを読みながら下校していると、周りを見ず赤信号を渡ってしまい、事故に遭い死んでしまう。
現れた"神"に生き返るチャンスをもらい、慎は冒険をスタートする。
生き返る条件は、「異世界へ行き、魔王を倒すこと」。
慎は無事魔王を倒し、生き返ることができるのか…!?
慎の冒険を描いた小説、その第1話、始まり!
俺は春日井 慎。東京の三塚高校に通う、2年E組の普通の高校2年生。
趣味は漫画や小説を読むこと。異世界転生系のラノベが好みだ。
「ちょっと慎、また授業サボってラノベ読んでんの!?」
「ああ、わりぃ。4時限目は出席するから。」
彼女は滝沢 夏美。3年A組の高校3年生。この学校の生徒会長でもあり、俺の唯一の友達だ。
「そんなくだらないもの読んでないで、授業に来なさい!」
彼女はそう言っているが、実は大の漫画好き。俗に言う夢女子というやつだ。
「やーっと授業終わったー…」
俺の人生は退屈だが、そこまで悪いもんでもない。今日も、お気に入りのラノベを読みながら下校した。
俺が今読んでるのは「転生した魔王は勇者でした」という、今人気の小説だ。何がいいかっていうと、その涙を誘うストーリーだ。ポンコツだったバカな魔王が転生して、最強の勇者になる。でも頭はさえず、足を引っ張ってばかり。お供のナギサは技は弱いが、頭脳明晰なしっかり者。勇者に恋心を抱いていて…(中略)最終話で前に勇者が仕掛けた地雷が原因でナギサは死んでしまう…
「それでナギサの武器を手に取り…無事魔王を倒した勇者は魔王の正体が元勇…」
『兄ちゃん、危ないよー!!』
ガッシャーン!
一瞬、物凄い痛みが走った気がした。だがきっと気のせいだ。
…周りが騒がしいな。気にせず信号を渡ろ…
…
…体が…動かない…
次第に視界がゆがむ…
「あれ、もしかして…俺…」
「死んだ…?」
『大変なことになってしまったようじゃのう…』
誰かの声が聞こえる。やっぱり天国に来たのだろう。心なしか体が軽い。
「あなたは…」『我は神じゃ。おぬし、惨い死に方をしたのう。』
惨い死に方…やっぱり俺は死んだのか。
『車に轢かれた上に隣で車が衝突して大爆発。破片が体に刺さりバイク2台に踏みつぶされる。』
『ここ最近見ない死に方じゃった。』
「神様…俺は…。生き返ったりできないのか…?」
こんなところで諦めるわけにはいかない。俺はまだ彼女もいない。いつか漫画みたいな恋をするまで終われない。
『うむ…では、特別にチャンスをやろう。』
「本当ですか!?」『面白い死に方を見せてくれたお礼じゃ』
面白い死に方だと。人の死を笑うだなんて、この屑が!…と思ったが、生き返らせてくれるならいいか。
『条件はただ一つ。異世界へ行き、悪しき魔王を倒してくることじゃ。』
なんだ、よくあるラノベみたいじゃないか。きっとものすごい能力がもらえて、ハーレム人生を送るんだろう。
『どうじゃ、挑戦してみるかね?』「神様…」
「俺、やります!こんなところで終われません!」
なんとなく主人公っぽい感じで言ってみた。
『ほう…覚悟があるようじゃのぉ』「…!」
『では、健闘を祈る。』「え…」
その瞬間、俺は意識を失った。そして…
「うっ…ここは…」「異世…界…?」
目覚めると、俺は見知らぬ土地にいた。
次回・「ものすごい仲間とものすごい能力」
作者の雪/Yukiです、初投稿です。
不定期更新です。気長に待っていただけたらと思います。もしよければ評価してってください。
1話はなんか平凡なよくある感じになってしまいました。
ここでちょっと雑にキャラ紹介…1話につきひとつかふたつ紹介します(予定)
-春日井 慎-
年齢:17才 誕生日:5月14日 身長:169cm 体重:59kg
性別:男性 好きな人:いない 好きなこと:読書、ゲーム、睡眠 嫌いなこと:勉強、運動
・成績はまあ優秀 ・視力は0.4、いつも裸眼
-滝沢 夏美-
年齢:17才 誕生日:9月30日 身長:165cm 体重:54kg
性別:女性 好きな人:? 好きなこと:読書、妄想、勉強 嫌いなこと:面倒な事、運動
・成績はとても優秀
-三塚高校-
東京のどこかにある高校。まあまあの名門校。