古城のモンスター turn1-part②
サミダレをゆらりと、バジリスクに歩み寄る。
無意識に縮地を連続使用し、前へ後ろへふらふらり。距離を詰めては大きく飛び退き、油断した次の瞬間にはまた、懐で連続攻撃を放っている。
「Shhhaaaaa!!」
バジリスクは焦った。明らかに自分より小さな相手に恐怖状態も石化状態も付与出来ない。攻撃もされている。何故だ。答えは単純で、サミダレの焦点があっていないからだ。天井、床、壁、何を見ているのだろう。
バジリスクは一旦距離を置こうと大きな尻尾を凪ぐ。サミダレは当然のように見切り、大きくバク転した。距離は開いた。
「なーご……」
「Shhhrrrrr……」
両者は睨み合う。
千鳥足のローズにはコカトリスが強襲する。
「GuWaaaaWawawawawawawawa!!」
急降下。ぐるぐる回りながらも、石化の視線はローズを睨み付けている。しかしローズも焦点があっていない。もはや石化の心配はなさそうだ。コカトリスとバジリスクの名が泣いている。
だが、このくらいのザコモンスに泣かされてちゃあ魔王になんて辿り着けもしない。ダグ達は何度も何度も、魔王と戦っている。負けない。……何人か欠けた事もあったが。
「ぶにゃーう……にゃう!にゃう!」
急降下を空中に大きく跳んで回避するローズ。くるくる回りながらも拳を、過ぎ去ったコカトリスの背に向ける。氷柱の弾幕が飛んだ。
だが、これでは終わらなかった。コカトリスが旋回し、氷柱弾幕をくぐり抜けて再び強襲する。中々の俊敏性と回避性能だ。石化の魔眼なんてキワモノ持ちでなければ召喚獣に欲しい。
「GuWaaaaWawawawawawawawa!!」
急降下。ぐるぐる回りながらも、石化の視線はローズを睨み付けている。石化しない。ローズは焦点があっていない。
「ぶにゃーう!」
光属性らしき細く白い光線をばら蒔き、ローズはまたも回避する。サイドステップ。紙一重だ。振り返らずに、手だけ後ろにかざし、雷球を3つ放つ。なんでホーミングしてんだよ。ローズに背後から撃たれたコカトリスたまらず、地に足を付ける。
「Guuu……WaaaaaaaWawawawa!!」
ぷんすこ怒ってる。ちょっと可愛い。
あ、でかい鳥飼いたいかもしれない。
腕に乗せて鳥使いを名乗りたくなるダグ。
ルインは既に暇そうに毛繕いを始めてる。
解説のストーンゴーレムさん、戦況をどう見ますか。
「…………Goggggg gu ga……(油断すんな)」
そうですね。さすがは歴戦の戦士。
それでこそダグのガーディアンだ。




