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決戦の古城は赤い月とともに  作者: 牙龍 仁華
Save data 01.第五章 飛翔する者
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古城 作戦確認3

猫が4匹とことこ進む。

行き先は次の魔将のお部屋。6魔将のうち3体は、城の構造上避けられないんだ。だから〈夜〉になる前に、最低限こいつら3体は消す必要がある。


〈夜〉は魔族や魔物を活性化させる。活性化、つまり色々な事情や特性により、超強くなるんだ。主に月明かりに影響を受ける奴が多い。陰陽がどうたら、光と闇がどうたらで?月は闇の種族を凶悪性を刺激するらしい。


あとの3体は、こいつらを倒さない事には考えても仕方ない。置いておく。


…………。とことこ。とことことこ。にゃーにゃー。ごろごろごろ。ダグは思った。何だろう、この攻略パーティ。魔王に挑むんだよな?……我ながら、ふざけてんじゃないか?


ていうか、そろそろ変身から20分経つだろ。戻らないなら戻らない方が強い気がするので、もうそのまま攻略に挑むまでなんだが……ローズの秘術で、効果持続時間までブーストかかってるんだろうか。


ともかく、居なくなった猫の杖を探そう。アレの力は絶大だ。猫化時の回避性能はとにかく凄まじい。


物理戦闘型であるサミダレやルインは、元より耐久があるから、人型でもいいとしてだ。


ダグの錬金術師は元々非戦闘職だし、〈サブジョブ〉の召喚師も後衛職なんだ。もともと打たれ弱いのなら、耐久性能より回避性能優先だろ。猫になっておけばいい。


ローズも後方主体の魔術師であり打たれ弱い。〈サブジョブ〉は盗賊であり敏捷性を活かした戦いが元より得意な為、猫化時の戦いはかなり様になっているのだ。猫になっておけばいい。


猫状態は、耐久力こそ落ちる。だがどうせ、これからぶち当たる強敵どもは軒並み高火力。人型でも後衛職では耐久が足りず即死するような技もバンバン使って来る。どの道ワンパンっていう嵐を凌ぐには、敏捷性と小さなボディーを活かした回避寄りの防御をした方が合理的なのだ。ギガントナイトの連続攻撃を見てみろ。受けられる奴はそういない。


道中を見てきた限り、ローズだけは絶対、猫にしておいた方が強い。猫の杖を早急に呼び戻す必要がある。


さて居なくなった猫の杖は、システムスキルによると、「マタタビがあれば居なくならない」。それを踏まえて考えてくれた前世さんによると、「手持ちの野草から適当にマタタビを錬金したら釣られて出て来そうじゃね」、らしい。ので!


ダグがスキルを発動。

【上位錬金術・野草生成lv.Ⅶ】

自生するほとんどの野草は大体生成可能。

土と水は用意しましょう。


ボフン。マタタビ完成。にゅふふん。

やったぜ。ダグにゃん天才だにゃん。

あれ、体がむずむずする。良い臭いだにゃん。

あと語尾が猫。あれれれれ。


……ハッ!!まずい!今皆猫じゃねぇか。

マタタビの餌食だよ!からの魔物の餌食だよ!

ぎゃあああ食われたくなーーい!

ダグにゃんの大バカにゃろー!

全滅するーふしゃーー!!


解体だっ!錬金キャンセルー!キャンセルー!!

マタタビさん退場!ごーあうぇーにゃ!!

よーし消えたァァ!!


はあ一時はどうなる事かと


「ぶにゃあ……」おや?おっさん猫のローズ君?ふらふらしてるよ?

「にゃーうぅ」茶トラぬこのサミダレ君?顔が赤いよ?風邪かにゃ?

「ごろごろ……ぐぅ」黒……ルイン!?こんな所で寝るな、死ぬぞ!!


ぺちぺち、ぺちぺち。ルイン起きろ!

「…………にゃう」わぁすっげー嫌そうな顔してる!

「にゃあにゃ……(ごめんて……)」


ぷい。そっぽ向いた。おませな横顔素敵。

猫杖戻って来ねぇな……。

マタタビ消したもんな……。


うん?何か聞こえる。


ずん、ずん、ずん、ずしん、ずしん、ずしん。

ずしんずしん、ずしんずしん、どどどとどどど!!

ばさばさばさばさ!!


魔物だァー!やべぇ!サミダレとローズ酔ってるぞ!!何、魔将は無傷で倒したのに、ザコモンスにやられちゃう回ですか今回のリープは。あははー残念だったなー。


ガッデム!ふざけんな!断固抗ってやる!

「ふしゃぁーー!!なーーご!!(魔物だぁー!総員戦闘配置!!)」

「……にゃー」


ルインさん今ため息つきませんでした?猫ってため息つけるの?気のせい?気のせいだよね?ごめんなさいダグが悪かったです。謝るから力を貸して。あいつら死んじゃう。


バジリスクが現れた!

コカトリスが現れた!


ふふん。石化系だったはずだ。しかし低位。こいつら程度のレベルの魔眼ならば、一方的に照射して発動する様なぶっ壊れな代物ではない。目を合わせなければいい。


こんなもの、この先に待ち構えてる〈マジのぶっ壊れども〉に比べればザコだ。強敵に変わりないが、この程度の敵に負ける上位職持ちではない。ダグ様秘蔵の上位召喚獣コレクションの力で蹴散らしてやろうじゃないか!ふにゃっはっはっはー。


そら、気を取り直して行こうか!


「ぶにゃうー…………?」

「ナーー…………アァ?」


その時、マタタビを取り上げられて不機嫌そうなローズとサミダレが、千鳥足の二足歩行で前衛に踊り出る。


サミダレはいつの間にかサーベル片手に持ってるし。それどこで拾ったんだよお前。ああ、武器類は壁にいっぱい掲げられてますね!そうだ魔王の城でしたね、ここは!サミダレ君もメンチを切らないの!敵がいきりたってるでしょ!


ふら、ふら。ふらふらふらーり。しぱっ。

ほあちゃー。にゃー。


ま、まさかこれは……この構えは!


「にゃうにゃう!(酔拳!)」


これは面白い事になった。またも〈新たなる運命の枝道〉だ。絶望的に詰んでる未来を変えるチャンス。


デブネコと茶トラぬこに要らない水と薬草で錬成した酒を放ってやる。水瓶はなかったので、壁に沢山かかってる適当な短剣の鞘に注いだ。


へえ、洒落た彫刻だ。本当に適当な有り合わせだが、十分上等なグラスじゃねーか。高値つきそう。生きて持って帰れたらだけど。


デブネコが、ぐび。回し飲みで茶トラも、ぐび。ぽい。がしゃーん。おいポイ捨て。上等なグラス。高値。おーい。


……更にふらっふらじゃねえか。ノリでやったけど大丈夫かコイツら?ヤバかったら助けに入ろう。


戦闘、開始。

バジリスクとコカトリスが襲いかかって来た!

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