第十八話 シェスの家
「コウさん、起きてください。着きましたよ」
俺は声とともに目を開ける。すると俺の目の前には、シェスの顔があったので慌てて起き上がった。
俺は確か、座ったまま寝たはず。でもなんでシェスの膝の上で寝てたんだろう。
「俺って座ったまま寝てたよね?」
「そ、そうですよ」
「もしかして、寝てる間に膝の上に倒れた?それならごめん」
「い、いえ、私が、膝の上に…」
「そうだったのか」
「い、いやでしたか?」
「そんなことないよ。気持ちよく眠れたし、嬉しいよ」
「そ、それならよかったです!」
シェスは頬を赤くし、笑顔で言った。
キャリッジの扉が開いた。
「着きましたよ。さあ外に」
俺たちはキャリッジを出た。ここの町は、町というか村みたいな感じだ。家と家の距離はまあまあ離れていて、家の隣には畑がある。
もう日が暮れ始めている。
「俺はとりあえず日があるうちにこの種を成長させたいから近くの土があるところに行くよ」
「それでしたら、うちの畑を使ってください」
「わかった。ありがとう。ガーツさんはどうするんですか?」
「私は宿を借りてそこで寝泊りします。お嬢様に、お見合いの件があるからコウ様を連れて帰ってきてといわれていますので」
「宿ならうちが経営する宿に泊まってはどうですか?連絡もすぐ取れるでしょうから」
「わかりました。では、私もご一緒させていただきます」
「それではついてきてください」
シェスについていき、約五分で着いた。
「ここが私の母が経営する宿です」
大きさは普通の家よりも少し大きい。
「さあさあ、宿に入ってください」
「お邪魔します」
そういえば異世界初の宿だな。
一階に食堂があり、二階に寝室があるようだ。宿の中には誰もいなかった。
「実は、お父さんの件で今は休業中なんです。だから好きな部屋に泊まっていいですよ」
「ありがとう」
「それじゃあ私、お母さんとお父さんに話しをしてくるから、部屋に入ってくつろいでください」
そう言って店の裏口から出て行った。
「ガーツさん、二階に行きましょう」
「はい」
「そういえばガーツさんはどのぐらいエルフィに仕えているんですか?」
「生まれてきてからずっとですかね」
生まれてきてからずっとって、親以上にエルフィと一緒にいることになるよな。
「ならガーツさんは、エルフィのお見合いのことをどう思っているんですか?」
「私ですか。私は、ご主人様には申し訳ないのですが、コウ様の意見と同じで、エルフィお嬢様には本当にお好きな方と結婚していただきたいと思っています。ですので」
ガーツさんは俺の手を両手で握る。
「ですので、今回の件、どうかよろしくお願いいたします」
ガーツさんは手を握ったまま深々と頭を下げた。頭を下げたとき、かすかにだが、涙がみえた。そりゃそうか、生まれてきてからずっとエルフィのもとにいるんだから、幸せになってもらいたいよな。
「もちろんです」
「ありがとうございます。私に手伝えることがあったらなんでも言ってください」
「わかりました。そのときはよろしくお願いしますね」
「では、私はこちらの部屋に泊まります。何かありましたらいつでもお呼びください」
「はい」
そう言って俺はガーツさんの二個隣の部屋に入った。
部屋はベッドと机があるぐらいだ。
俺は外に出ようと思ったが、もう暗くなっていたので明日にしようと思った。
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