第十六話 何でも屋
元号は令和になりましたね。
意外でした笑
エルフィは広場から目立たない路地に入り、そこから約十分ほど歩いた。
「ここです。ここが私の祖母のお店です」
貴族の家系の人が経営しているとは思えないほどの外装だった。なんかとても不気味だ。
「こ、コウさん、入りましょう」
「あ、ああ」
シェスも少し不安そうにしていた。
「いらっしゃい」
中は所々明かりがあるだけで、少し暗い。しかし商品の量は半端じゃなく多い。さすが貴族ってだけはあるな。
「こんにちは。お祖母様」
「あらエルフィじゃないか。どうしたんだい?」
「こちら耕さんとシェスさんです。実はシェスさんのお父様が...」
エルフィは事情を説明した。
「万能薬ねぇ。昔はあったんだが、今はもうないね」
「そ、そうですか...」
「だが」
そう言っておばあさんはこちらを見る。
「だが、万能薬の種ならあるよ」
もしかして俺が園芸師だってこと分かってる?
「種?ですか。ならその種から万能薬を作れば良いですよね?」
「ああそうだよ、エルフィ。だがな、この種から万能薬を作る方法は何一つ分かっちゃいない。ある人がこの種の蕾まではつけたんだが、それ以降、何をやっても育たなかったんだってよ。しかも蕾をつけるまで約5年」
「5、5年も!?」
「そうだ、5年もかかるんだ。蕾をつけるだけでな」
「そ、そんな。それじゃあお父さんの死までに間に合わない」
シェスは崩れ落ちるように床に膝をついた。
「だがそこの少年。君ならできるんじゃないのか?」
おばあさんは俺に笑みをこぼした。やっぱりこのおばあさん俺の事わかっている。ただもんじゃないな。
「できる限りの事はやってみます。ところでお値段は?」
「金貨20枚」
「き、金貨20枚?!私、お母さんから金貨2枚しか預かっていません。しかもうちの財産を使ってもそんな額払えるかどうか...」
「まあ、エルフィの友達でもあるし、今回は安くしておくよ。金貨2枚でいいよ。ただし、万能薬は作れるという保証はない。作れなくても、お金は返さない。それでもいいなら買うといい」
「か、買います!」
「そうか、毎度あり」
おばあさんはシェスに5センチほどの種を1つ渡した。
「よし、急ごう」
「はい、早くお父さんのもとへ」
俺たちが店を出ようとした時、おばあさんが口を開いた。
「そういえばエルフィ、お前の父親が、家に戻ってこいだとよ。見合いがどうのこうの言っておったぞ」
「伝言ありがとうございます」
そして俺たちは店を出た。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!




