第十三話 エルフィの事情
第十三話です。
「ところでお名前はなんて言うんですか?」
「俺の名前は一之瀬 耕。コウって呼んで」
「私の名前はシェスティン。シェスって呼んでください」
「お二人はどういう関係なんですか?恋人、ですか?」
「いえ、俺たち...」
俺がそう言おうとした瞬間
「こ、こ、こ、恋人?!ち、違いますよ!私と幸さんが恋人なんだなんて」
とシェスは顔を赤くして必死に言った。
「そうです。俺とシェスは昨日出会ったんです」
「そうなんですか。これは失礼しました」
「ところで君の名前は?」
「私の名前はエルフリーデです。よければエルフィと呼んでください」
「わかった、エルフィ。それじゃあひとつ質問してもいい?」
「はい、なんでしょう?」
「率直に聞くけど、なんで俺に魅了の魔法なんてかけたんですか?」
「実は私最近16歳になりまして、父に「もうお前もいい歳になったから、そろそろ結婚しなさい。もう見合い話を用意した」って言われたんです。でもその見合いの相手が高年でたくさんの妻を弄んでいるような貴族の方なんです。私は「そのような方との結婚は嫌です。」と断ったら、父は「なら俺が納得するような相手を連れてこい」と言ったんです。だから私はたくさんの方に魅了の魔法をかけて惚れさせては、父のもとに連れて行っているんです。しかしどの方でも父は納得せず、今困っていたんです。そこに幸さんが来たのでダメもとで連れていこうと思ったんです」
こんな容姿なら魅了の魔法をかけなくてもいい気がするけどね。まあそれだけ必死なんだろう。
「でもコウさんは今までの人とは違い、私の魔法を見抜きました。すごいと思います。きっとこのことを父に言えば、納得してくれるはずです。だから私と結婚してください!」
異世界事情って大変だな。
「ごめん。俺はエルフィと結婚できない。俺は本当に好きになった人としか結婚しないって決めているんです。正直言って、エルフィも好きな人と結婚がしたいって思ってますよね?」
「そ、それは...」
まあ仕方がない。ここは一肌脱ごう。
「でも恋人の設定でお父さんを説得する手伝いはするよ」
「ほ、本当ですか?ありがとうございます!」
「ただし、先に用事を済ませてからね」
俺はそう言ってシェスを見た。するとシェスは頷いた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!




