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もしもこの世界に「小説家になろう」が存在しなかったら 3

>また、出版の約束をしたのに反故にされた場合、怒っていいと言いましたが、怒ってもいい、しかし最後は相手を許してあげなくてはならない時もあります。


 編集者もサラリーマンです。どうしても約束を履行できない時もあるでしょう。


 編集者自身はそのつもりで社内決裁もとったつもりでいたのにハシゴを外される。そんなことは社会人であれば誰しも経験のあることでしょう。


 わたしも怒るべき時がありました。


 拙作「千尋・ザ・ブラックナイト」は林檎プロモーション様から刊行されましたが、実はそれまでになんども出版の話はありました。


 ちょっといい風に書きましたね。何度も出版審査を通った、これは一般的に編集会議を通ったと言う言い方の方が正確でしょうか。


「成田さん、この度は本当に申し訳ありませんでした」


 編集会議を通って出版しましょうと言う話になりましたが、その出版社が倒産に近い状態になってしまったんですね。仮に出版されていたとしても印税未払いという事態にはなっていたでしょう。


 編集者さんに泣いて謝られては許すしかありません。許さなかったとしてもどうにもなりませんが。


 かろうじて会社は残っているようですが業務も大幅縮小、その編集者さんももう転職されたようです。このレベルであれば仕方ないかと思うしかありません。


 ただし、この出版審査で得たこともあります。


小説家になろうの力なしに出版までこぎつけたということで、作品の内容だけで出版に値すると評価されたこと。作品のクオリティについて客観的な担保が成されたという自信を得ることができました。


小説家になろうの力無しにというとまた語弊があるかもしれません。


出版社に持ち込みをするときは作品だけを持っていけばいいと言うものではありません。どんなに優れた作品であっても、作品だけを持ち込んで編集者様に読んでもらえる事はないでしょう。


そもそも作品募集なんてしてない会社の方がほとんどなのですから、それを読んでくれと言うのには工夫が要ります。


梗概だけでなく作品の売りぐらいは最初に伝えるべきではないでしょうか。


ここで言う作品の売りと言うのは主に作品の面白さではなく、どういった読者を想定して出版社に利益が出そうかと言うビジネス的なプレゼンテーションです。編集者が作品を読んで面白かったら出版されるというものでもありません。


商売ですから赤字にはならないと思わせる根拠ですね。分かりやすく言えば、10,000部の売り上げが期待できる企画であれば、どこの出版社だって断りはしないでしょう。

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