書籍化作家になったら何かが変わると思っていた時期が私にもありました。
書籍化作家になったら何かが変わると思っていた時期が私にもありました。
何も変わらない。身バレを心配してたのが全く杞憂だったぐらいです。それでも完全に秘密にしている方も多いかと思います。秘密にしている分には何も変化が無くて当然かと思います。
拙作、が出版されて一年が経った頃、人事課以外の同僚にもそろそろカミングアウトしてもいいかと思い始めていました。
作業で一緒になった同僚と世間話が尽きた頃に、「そろそろ言ってもいいかな」と話を振ってみた。
「ねえA氏、ライトノベルって知ってる?」
A氏「知りませんねえ」
「書店でこう、漫画みたいなイラストがついた文庫本とか見ない?」
A氏「ああ、ありますねえ」
「よく、深夜の『なんでこんな時間に』って時間にアニメとかよくやってるでしょ、ああいうのの原作なんだけど」
A氏「ああ、わかります。よくやってますよね……なんか気持ち悪いラブコメみたいなの」
(え?)
A氏「それがどうかしたんですか?」
「……いや、なんでもない」
カミングアウトは中止することにしました。
まあ、興味が無い人にはそんなもんなのかもしれません。
こんなこともありました。
最近、自分が書籍化作家だったことを忘れかけておりますが、少し前に作家扱いされたときのお話。わたしは本屋で金を落としている方なのですが、
書店主「成田さん、こんにちわ」
わたし「どーも、こんど作家デビューしたので本を置いてください。というわけでこれ、わたしの本です」
(拙作を渡す。)
書店主「へえ、自費出版したんですか?」
わたし「……一応、商業出版です」
書店主(本を見ながら)「ライトノベルですか! よくデビューできましたね」
書店主はさすがにライトノベルはわかっている。
わたし「小説家になろうというサイトがあって(以下、出版の経緯を話す)」
書店主「へー、携帯小説ブームってまだ続いてたんですね」
わたし「昔は恋空とか恋愛小説が人気でしたけど、いまはファンタジー小説が人気なんです」
書店主「じゃあ、目立つところに置いておきますね。それにしてもすごいですね、出版不況の時代に」
わたし「だからこそ、ファンの多いweb作家をスカウトするのだと思います。新人賞の選考を経ずとも既に読者の評価がわかっているものを出せば出版社もリスクが少ないですからね。ゴールドラッシュです。」
書店主「なるほど、不況で逆に出版のハードルが下がっているわけですね(屈託のない笑み)」
わたし「そうなんですよ……(あれ? 微妙に失礼なこと言われてない?)」