第一章 初めての戦闘
とある国の王城
「アルタ、今日より、お前を我が国の勇者に命ずる。」
「はっ!」
「これより、我が国から出発し、魔王国を目指すのだ!」
「わかりました。」
「では、行ってこい!今日よりお前は勇者だ!」
この日が来ることをいつも夢見ていた。そのための努力はしたつもりだった。だから、この日は俺にとって、それなりに大切な思い出になるはずだった。はずだったのだ。
「アルタ!後ろ!」
「チッ!わかってるよ!ハァハァ...」
家が近く、小さい頃はいつも一緒に行動していた幼馴染のチェリー。職業は魔法使い。
初め、俺は一人で旅をするつもりでいた。だから、誰かに会う前に門から出ようとした。門から出ようとした瞬間
「アルタ!」
と、待ち伏せていたのか、そこには、チェリーの姿があった。
「私も一緒に行く!」
「俺は、一人で行く。もう誰も傷つくのは見たくないんだよ!」
「その中にアルタが入ってないじゃん!私、強くなったよ?たぶん、アルタが思っている以上に。」
「...はぁ、勝手にしろ。そのかわり、無理だと思ったら、すぐ帰れよ。」
「アルタがなんて言おうと私はついていく。アルタが傷つくところはもう見たくないから。」
「...」