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GLoop〜やり直し世界と僕〜  作者: 倉里小悠
第1章 華形香織
18/21

閑話 ハロウィンパーティ

2話連続投稿です。

2話目で、これは閑話です。

そう、約束のハロウィン話です!!

「ちょ、ちょっと! 待ちなさいよ!」

「待ってたら遅れちゃいますよ〜。急いでください〜」


 2人の少女、華形香織と神代菜穂(じんだいなお)が住宅街の中を走っていく。

 向かう先は高架橋側の森。西条要の家がある場所だ。



 紅葉で色づく街は現在、西洋から伝わる秋の収穫祭、"ハロウィン"の真似事をせんといつもとは違った賑わいを見せていた。

 道行く人は思い思いの仮装をしている。ゾンビ、ドラキュラ、フランケンシュタイン等々。子供達は住宅街を駆け回り、各々の知り合いの家にて魔法の言葉を言う。


「トリック・オア・トリート!」

「はいはい、お菓子ね」


 大人達は子供達に、あらかじめ用意しておいた菓子類を与える。

 子供達は喜び、大人達は微笑む。収穫祭の体はなしていないが、街中が優しい空気に包まれている。




 そんな街から少し離れた場所に、西条邸は建っていた。


「ギリギリセーフッ」

「セーフもアウトもありませんよ、神代さん」

「気持ち的にセーフなんですっ」

「ぜぇ、ぜぇ、……菜穂ちゃん……走るの速いよ……」

「華形さんも来ましたか」


 西条邸へ走って来た少女2人を出迎えたのは、銀髪の少女。2人より少し幼い容姿だが、纏う雰囲気は大人のそれだ。

 しかし、彼女の服装は…………


「枋美ちゃん、その格好はなんですか? ハロウィンにしては普通じゃないですか?」

「まさか、ここまでハロウィンにふさわしい服装はありません」

(このオタクめ……!)


 かの偉大なる騎士王の青き礼服だった。


(ちゃっかり勝利の剣も作ってるし……天才オタクって恐ろしいわ……)


 彼女の名は川崎枋美(かわさきまゆみ)

 彼女たちと、残り2人の少年を加えれば、彼女らの日常と言える、いつもの5人になる。


「さて、さっさと着替えてしまいましょう。男性陣の買い出しも、じきに終わるはずです」

「りょーかいですっ。枋美ちゃん」

「ちょ、ちょっと待って。……水……水だけ頂戴…………」


––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––


「お菓子オッケー。豆腐に人参、大根、きのこ、肉オッケー。他に何かある?」

「ネギは?」

「ああ、そうだった。ネギが無かったらダメだね」


 場所は街のスーパー。買い物中の主婦が多くいる中、2人の少年が並んで歩いていた。


「和哉、ネギは鍋の基本だぞ」

「わかってるって。ちょっと忘れてただけだよ」


 沙原和哉、西条要の2人である。


 彼らは西条邸にて行われるハロウィンパーティのため、買い出しを任されていた。

 今はハロウィンにつきものの菓子類、そして鍋をするための具材を買っている。


「要、本当に闇鍋にするの?」

「ああ、枋美とも相談して、ハロウィンなら闇鍋をするのが正解だろうという結論に至ったからな」

「相談する相手が間違ってる気がする……」


 闇鍋。真っ暗闇の中で、参加者が持ち寄った様々な食材を鍋に投入し、それを食べるという変わった鍋の楽しみ方だ。


「まあそう言うな。万が一ひどいものができても、俺が保険で買った食材でなんとかする。」

「もうそれで普通に鍋をしようよ……」


––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––


 場所は西条邸。そこで、5人によるハロウィンパーティが今、開かれようとしていた。


「ジャーンッ、どうですか要くん! 似合ってますか?」

「問おう、貴方が私のマス……」

「あんたはもうやめなさいよ」


 少女3人が、少年2人にそれぞれの仮装を披露している。

 神代菜穂が狐巫女、川崎枋美が騎士王、華形香織が魔女の仮装である。


「うん、みんな可愛いね」

「そうだな、特に枋美はもっとギリギリな衣装だと思ってたんだが、かなり似合ってるぞ」

「今も違う意味で結構ギリギリだと思うんだけど……」

「要くん! 私は!? 私はどうなんですか!!」


 神代菜穂が頭につけた狐耳と尻尾をぴこぴこ動かしながら、西条要に問う。跳びはねているため、彼女の双丘が大きく弾む。巫女装束の胸元から覗く谷間は、強烈な破壊力を持っている。


「グハァッ!」

「枋美ちゃん!?」


 川崎枋美がそれを見、口から血反吐を吐いて倒れる。沙原和哉が心配して駆け寄ろうとする。


「気にしなくていいよ和哉くん。いつもの病気だから……」


 しかし、華形香織がそれを手で制した。


「おのれ……おのれ……なぜここまで格差が広がっているのだ…………っ!」


 床に倒れ伏した川崎枋美は、床に向かって呪詛を撒き散らし始める。



「それで、どうなんですか? 要くん」

「よくこの状況でやれるね……」


 格差に敗れた亡者は放っておいて、勝者は問答を再開する。


 問われた西条要は少し悩んだ後、答えた。




「…………それ、いつもの仕事服だろう? 神社の巫女が、巫女装束を着たって目新しさが……」

「ガーーーーーーーン!」


 その答えに神代菜穂は顔を青くして床に倒れる。川崎枋美と合わせて2体の屍が完成だ。


「要、その答えはどうかと思う」

「え?」

「はぁ……もういいわ。2人は置いておいてさっさと始めましょう」


––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––


 その後も、作った闇鍋が意外にも美味しかったり、買ってきたお菓子が等分できずに、争奪戦が始まったりと、楽しいひと時を5人は過ごしていた。






 これは、過去に在りし日の、幸せな記憶である。


––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––


 時は、現在(・・)


「要、お主は何を望んでおるのじゃ? 儂にはちいとも分からん。あの3人が何を意味するのかも、そして、これからどうなっていくのかも、サッパリじゃ」


 金色の幼女が、ソファでくつろぐ西条要へ問いかけた。金の月が後ろから照らしていて、彼の表情は伺い知れない。


「……()は平和しか望んでいない。それ以外は全て、()の意思だ」

「お主は1人しかおらぬだろう。全く、中途半端に拒むからそうなるのじゃ。」


 キンが西条要に軽く説教をする。大の男が見た目よ幼い女に説教される様は、おかしいはずなのに、どこかしっくりくるところがあった。


「して、話は変わるが、何か良からぬ者が訪れているようじゃ。どうする?」

「無論、潰す」

果たしてうまく書けているのだろうか……

パーティをする話だと思っていた皆様、すみません。

パーティの前でお話は終わりです。

パーティ本番は来年のハロウィンにでも……(その時には本編完結してるかも……)

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