仲直りと出発
校門を出てすぐ左横に涼と鈴の二人が何か気まずそうに
しながら立っていた。
すると、涼がこちらを見て、
「鏡に学園長からの伝言。俺たち二人に仕事を手伝わせることだとさ。」
「本当にあの人は私を困らせることが好きですね。
君たちもいいんですか?危険ですよ。」
「ああ、俺も強くならなきゃいけないしな。」
「私は」
そこで言葉に詰まる彼女に少々おせっかいかもしれないが
鏡は手助けをしてあげることにした。
「綿桐、彼女に何か言わなければいけないことがあるんじゃないのかい?」
その言葉が後押しとなって涼はしゃべりだした。
「えっと、そのだな。昨日のことなんだけどな。あの後考えたんだ。帰ろうぜって言ったのに一緒に帰らなかった。
大げさに言えば俺から約束して俺から約束をやぶった。
そのことを謝りたかった。ごめん。」
その言葉を聞いた鈴は少し嬉しそうな顔をして、
「私もごめん。一緒に桜見に行けばよかったのに。」
決意を込めた瞳で鏡を見上げる鈴、
「鏡先生、私は涼を守る。」
そんな二人に納得したのか鏡はこう言った。
「では、行きましょうか。」
こうしてふたりは仲直りし、
先生と生徒ふたりで学園長の任務を遂行するため、
出発するのであった。