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餓狼

シドニーとか時代が知れますね


2000年9月。東ティモールの反独立派がオーストラリアのシドニー五輪開会式を襲撃し、大量の死傷者を出した。

 この事件を口実にオーストラリアは単独で東ティモールに軍を派遣。これに反発した中国が東南アジア諸国と連合で治安維持軍を派遣する。

 さらに中国の艦船が台湾沖を航行していたときに、警戒していた台湾海軍が中国軍に発砲。紛争が勃発。それに呼応するかのように朝鮮軍が南下。第二次朝鮮戦争が勃発。

 15年に及ぶアジア紛争は、アジアの文化と国境をことごとく破壊したが、皮肉にもアジアに新しい秩序と統一国家を生みだすこととなった。

 その後、国家間の戦争は影を消したが、それに代わるように組織の力を背景に広域に凶悪な犯罪が発生するようなる。

 そんな犯罪組織に、対抗する専門的な警察組織も生まれた。

 ジュノウは、州警察でも断突の問題刑事だが、裏では特殊警察でもNo.1の検挙率を誇る-餓狼-のチームリーダーであった。

「どうしたのジュノウ。暗い顔して!!」

 考え事をしていたジュノウの肩を麗華が叩いた。

「うわぁ!!」

「ちょっと脅かしたぐらいで、あーによその態度。いつもそんなにボーッとしているから、昼行灯なんて化石語みたいな陰口叩かれるのよ」

 ジュノウは、露骨に『何もそこまで言わなくても・・・』というような顔をする。

「まーた。本当なんだからしょーがないじゃない」

 麗華の慰めになっていないお言葉。

「あら傷ついたの?あんたらしくもない。いつもの図太い神経はどうしたの」

 ジュノウは、「壁さん壁さん」と、壁に「の」の字を書きながらつぶやく。

「ところで先輩。いったい何の用です?」

 ジュノウは顔を引きつらせながら尋ねる。

「あなたのおかげで、楽しみにしていた今夜のコンサートはお仕事に早変わり」

「コンサート会場の警備ですか」

「あらゆるコネを尽くして手に入れた七万のチケットが無駄になったのよ~」

 麗華はジュノウの首を締めながら前後に揺さぶる。

「それでねジュノウ。明日はお詫びとして、私にフランス料理のフルコースをおごること。いいわね!」

 麗華はピタッとジュノウの胸に右手の人差し指をあてて笑う。

「わ・判りましたよ先輩」

 ジュノウは引きつりながらいう。

「じゃあね明日。私の仕事が終ったら、この前いった店にね」

 麗華はニコニコしながら歩きだす。

 ジュノウは、前回食事をおごらされて、合計でもらっている一ヵ月分の給料がきれいに消え去ったのを思い出していた。     

リオに変えた方がいいのかなぁ

ありがとうございました

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