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守る側から守られる側へ

あれから数日が経った。


俺は試験にクリアし、清水先輩のチームに加入し日々鍛錬を行っている。


「新城。あとグランド十周!」


「ハァ・・・ハァ・・・!」


もう五十周は走ったのにまだ走らせるか・・・。


今俺の鍛錬に指導している人は東郷 真。


皆からはアニキと呼ばれている。


三年生とはいえ、これだけの筋肉をよく身につけた人だ。


職は俺と同じナイトだが盾は使わない。


変わりに大きな大剣を使用している。


大剣使いのナイト。


あんな大きくて重そうな剣を軽々と振るうのに相当な鍛錬をしたんだろうな。


この前戦争に初参加した時、アニキの大剣で敵の生徒が埃みたいに何人も宙にまってたな・・・。


その後、意味不明に自分の筋肉を見せびらかしてたけど・・・。


「その後は俺と一緒に筋トレだ!」


・・・鬼だ。


「・・・東城。これを・・・」


「忍先輩。いつの間に」


走っている俺の隣に並走して忍先輩がいた。


二年生の薄井うすい しのぶ先輩。


言葉数が少なくてあまり気配を感じない人だ。


職はアサシン。


忍先輩は姿を消すスキル透過を使って敵の中に潜り込み武器防具の無効化、そして、状態異常を撒き散らし戦力を削る。


鮮やかな手際だった。


姿を消せる透過でも弱点はある。


一つは、相手に触れると解除される。


二つ目は、何らかの攻撃をしたら透過の効果は切れ姿が見えるようになる。


三つ目は透過してても音はする。


四つ目は一定時間で効果が切れる。


これだけの弱点があるのに先輩は敵に触れずに難なく入り、任務を成功させている。


一体どんな鍛錬をしているのか・・・。


その理由はすぐにわかった。


「・・・これで元気」


「・・・・・・」


俺に見せたのは女子生徒が更衣室で着替えをしている写真だった。


これが先輩の鍛錬法だ。


先輩は自分の気配を消し標的が来るまでいかなる場所でも待つ。


標的が現れたら最高の状態で捕捉し撮影。


そして、証拠を残さず消える。


最低で最高な鍛錬方法だ。


そして、広場で寝ている先輩。


名前は西にし あおい先輩。


元気で明るい人なんだが、あの試験以来、俺の事が気に入ったらしく、よくからかわれる。


職はフェンサー。


スピードと多彩な技を活かした戦闘スタイルで、単騎で敵に突っ込み、スピードと技で次々と仕留める姿を見た時は正直見惚れた。


あんなにも綺麗に戦えるんだと感じたからだ。


本人はその時のノリと勢いでやってるって言っていたが、多分天性の才だと思う。


「・・・ふぅ~・・・」


アニキと同じ、三年生で水のクラスの生徒会長の清水先輩の周りに石の壁が六枚立っている。


先輩は目を閉じ呼吸を整え瞑想をし


「ハッ!!」


拳で六枚の壁を殴った。


「・・・・・・よし」


少しすると壁は粉々に砕かれた。


凄い鍛錬だ・・・。


一体あの体にどんな力あるんだ・・・。


清水先輩の職はファイター。


素早い身のこなしで接近し拳で殴る。


その威力はちょっとしたクレーターが出来るほどの威力だ。


それを見てからというのも、清水先輩の笑顔が少し怖いと感じるようになった。


そしてチームの最後のメンバーの利己は、何もせずただ椅子に座っていた。


あれ以来俺と利己は会話もしていない。


というか一方的に無視と遠巻きにされている。


「おい余所見してるんじゃねぇぞ!」


「いて!」


「まったく・・・。ミリオンファイブに一撃与えたのによ」


「あれはまぐれですよ。利己も俺に合わせて通常攻撃だけにしてくれてたし」


「それでも勝ちは勝ちだろ。もう少し誇れよ」


「・・・・・・」


そう。俺は利己に一撃与えた。


ミリンファイブの一人の利己に・・・。


知らなかった。


利己が賞金首の一人だったなんて・・・。


「・・・・・・」


「裕。お前は単位が欲しくないの?」


「俺は別に欲しくないです」


「じゃあ何でここに入学したんだ?」


「・・・それは・・・」


「真さん。理由は人それぞれですよ。追求はよくないです」


「そうだな。裕。すまなかった」


「いえ・・・」


「そういえば、聞きたいことがあったんだが、いいか?」


「何ですか?」


「お前が水島に一撃与えた時の動き、あれは何かの技か?」


「あ、それ私も気になってたー!」


「・・・同じく」


「教えてもらってもいいですか?」


隠してもったいぶるものではないし、いいかな。


「実は俺の家は剣術をやってまして・・・」


「なるほど。剣術か」


「はい。昔から続いてますが有名ではありません。小さい頃から父に教えてもらってました」


「それであんな凄い動きができたんだね~」


「凄くなんてありませんよ。あれは俊歩と言って素早く相手の死角に潜り込む動きです」


「他に何か技はあるのか。よかったら見せくれよ?」


・・・技か・・・。


「・・・わかりました。じゃあアニキ。そこに立って構えてください」


「こうか?」


「はい。・・・じっとしてて下さいね。新城流剣術一ノ型『焔』!」


「・・・・・・」


『おお~・・・』


先輩達が拍手を送った。


アニキの体五ヵ所に軽い打ち込みをし通過して見せた。


「何も出来なかった・・・」


「やっぱり裕は凄い人材だよ!強い強い!!」


「・・・猛者」


「そうですね。これならスルキを取らなくても十分通用しますね」


「・・・それは無理ですよ。会長」


突如利己が話の途中に割って出た。


「利己・・・」


「その剣術は守る人がいるからこそ振るう事が出来る剣術。それがいないあなたが勝手に振るっていい剣術ではないと思いますが?」


「・・・・・・」


その通りだ。


俺が幼い頃か学んできたこの剣術は、主を守る為にある剣術。


主がいない俺が使っていい技ではない。


「ごめん・・・」


「・・・会長。鍛錬終わりましたので今日はもう帰ります」


「ええ。お疲れ様」


利己は女子寮へと帰っていった。


「すまんな。俺が見せてくれって言ったばかりに・・・」


「いえ、アニキは知らなかったから仕方ありませんよ。知っている俺が使ったのが悪いです」


「・・・なぜ水島は知ってた」


「あ、それ思った。どして?」


「それは・・・」


しまった。迂闊だった。


利己はこの事を誰にも話してないだろう。


それにこの問題は俺だけの問題だ。


先輩方に話すのは・・・。


「新城くん」


「清水先輩・・・」


「先ほど私はあんな事を言いましたが、場合によっては話した方がいいと思います。正直今の新城くんと水島さんの関係はチームにとってよくありません。この状態が続くと問題はチームだけでなくクラス全体に響く可能性もあります」


清水先輩言うことはもっともだ。


やっぱり話しておこう。


「・・・・・・利己は俺の主だからです」


『・・・・・・ええ~~~!!!』


清水先輩以外が一斉に驚いた。


「何それ。ちょっとかな~り詳しく説明しなさい!」


「・・・わかりました。・・・俺と利己は・・・」


俺は昔の話をした。


俺の家と利己の家は昔から続いている主従関係の家柄だった。


父親と利己の父親は仲が良くてよく家族絡みで遊ぶことが多かったので、俺も利己の家族をもう一つの家族みたいに接してました。


利己とは一つ違いで年も近かったから仲良く遊んでいて、


「将来は私のお婿さんになって」


「うん。僕は利己ちゃんのお婿さんになるよ」


って約束しました。


子供の時の約束なんて普通は特別でもなんでもないと思います。


でも子供の時の俺はその約束を守るために一生懸命頑張ってました。


それは利己もわかってました。


大事な俺の主でお嫁さんになる利己を守るために更に剣術を学び磨きをかけました。


そんなある日、利己が同い年の男の子達に苛められているのを見て助けに入った時に、その男の子達が言ったのが


「お前こいつの事が好きなのかよ」


って言ってきたので俺は


「利己は友達ではない」


と言ってしまったんです。


それを聞いた利己は酷く傷つき、それ以来俺と遊ぶ事はなくなり、会うこともなくなりました。


その言葉の続きを言えずに・・・。


その続きの言葉は・・・。


「利己は友達ではない。俺の大切な主で俺のお嫁さんだ」


ですが、結果的に利己を傷つけたのは事実。


俺は二度と約束を破らない為に、剣術をさらに磨き、この学園入学してきました。


「そうだったんですか・・・」


「すみません。こんな話をしてしまって・・・」


「気にすんなよ。俺達が聞きたいって言ったんだからな」


「・・・新城は悪くない」


「そうだよ。だから落ち込むな!」


「先輩方・・・」


「それで、新城くんはどうしたいんですか?」


「俺は・・・利己に話を聞いてもらいたいです。ただそれだけです」


「だけど、今の状態では無理っぽいね」


「・・・・・・はい」


「いえ、可能ですよ」


「本当ですか!」


「はい。ですが新城くんにはリスクは大きいですよ」


「リスクが大きくてもいいです。清水先輩。教えてください!」


「・・・わかりました。新城くん。あなたにはもう一度水島さんと戦ってもらいます。全力の水島さんと」


「・・・・・・わかりました」


「では水島さんにメールを送ります。条件がどうなるかわ本人次第です」


清水先輩は先ほどの件をメールをで送った。


暫くすると利己から返信があった。


戦いは了承の事。


ただし条件があった。


利己が勝てば俺はチームを脱退し、学園を去ることだった。


俺はその条件を飲み、戦いに挑んだ。






仮想世界エデン訓練所


「本当にいいんですか。会長」


「ええ。全力でお願いします」


「・・・わかりました」


「新城くん。ルールはわかってますね?」


「はい。・・・負けたらチームを脱退しこの学園も去ります。俺が勝ったら利己に一つお願いを聞いてもらう」


「水島さんもそれでよろしいですか?」


「構いません」


「ではこれより戦闘を開始します。・・・始め!」


「時間はかけません。マジックパワー」


「なんだ・・・これは・・・」


利己の周りに魔方陣が出てきた。


「終わりよ」


利己は魔法スキルを連続で使用してきた。


「っく!!」


ギリギリで避ける事は出来る。


・・・けど、この膨大な数の魔法スキル使用して大丈夫なのか?


MPがすぐに尽きるぞ。


「・・・うそだろ・・・」


利己のゲージを見るとMPがまったく消費されてなかった。


「スキルを使ってるのMPを消費してないってどういう事だ・・・」


「私のマジックパワーはスキルlvがMAX。通常なら一定の間隔で回復するMPが瞬時に回復するようになってます。そのおかげで私は無限にスキルを使用する事が出来る」


「反則過ぎるだろ・・・!」


「これがミリオンファイブの実力。あなたに勝てる要素はゼロ」


「・・・さすが俺達のミリオンファイブだな。相手にしたくねぇな・・・」


「・・・同意」


「だね。相手から『歩く不動要塞』って言われるだけあるよね~・・・」


「新城くんはこの状況をどう打開するのでしょうね・・・」





「どうしたんですが。避けるだけでは勝てませんよ」


「・・・確かに。利己の言う通りだ。けど・・・」


攻め入る事が出来ればやっている。


四方八方から魔法攻撃が出されてるこの状況では無理だ。


しかもMPがまったく減らないから途切れることもない。


隙のない攻防一体の攻撃だ。


「詠唱開始・・・」


また新たなスキルを発動させるきだな。


どうにかして止めないと。


「無駄です」


近づく俺に別の魔法スキルで移動を阻む。


「くそ!これじゃあ近づけない!!」


「詠唱完了。・・・上級魔法フレアフレイム」


大きな火球が放たれた。


「くそ!」


避けないと・・・。


「・・・バースト」


火球が光だした。


「なっ!ばくは・・・」


火球は俺の手前で爆発した。


その爆風に巻き込まれ吹き飛ばされた。


「ガハッ!」


・・・起爆型の魔法か。


ぎりぎりで反応出来たけど、もう少し遅かったら終わってた。


「少し範囲外でしたか・・・。でしたらグラビフィールド」


今度は急に体が重く・・・!


重力魔法か。


「フレアフレイム」


またあの火球か!


逃げようにも体がうまく動かない・・・。


だけど、逃げないと負ける・・・。


「・・・バースト」


火急は光だし再び爆発した。


「・・・逃げましたか」


爆発した場所には盾と防具があった。





「・・・どうにか逃げれたな・・・」


岩陰に姿を隠し、アイテムのリジェネポーションを使ってHPを回復させていく。


防具と盾を捨てて身を軽くして危機を回避できた。


だけど、次にまた同じことをされたら無理だ。


もう逃げる事は出来ない。


「どうやって近づけばいいか・・・」


あのスキルは厄介だ。


あれのおかげで利己は無限に魔法スキルがだせる。


何か弱点があれば・・・。


・・・そういえばあの魔法を出す時少しの間、時間がかかってたな。


その間はすぐに出せる魔法スキルでカバーしてた。


「もしかしたらそこが弱点か」


ならいけるかもしれない。


HPも回復したし、行くとするか。


この勝負に勝って利己に言うんだ。





「裕の奴どこに行ったんだ?」


「ん~戦場リストいはいるからログアウトはしてないぽいね」


「・・・隠密」


「何か作戦でも考えてるのではないでしょうか」


「それでもよ。遅すぎやしないか?」


「・・・あ。来たよ!」


「利己待たせてごめん」


「・・・名前で呼ばないで」


「利己。俺は今から君を倒す」


「本気で言ってるんですか?」


「ああ。本気だよ」


「あなたみたいな人に私に攻撃は届きません」


「届かせてやるさ」


「・・・やって見せるといいわ!」


利己は再び連続でスキル魔法を使用してきた。


どれもすぐに発動できる魔法だ。


ダメージはそんなにないけど、避けるか最小限のダメージにしないと利己に接近することが出来ない。


大丈夫だ。


俺なら出来る。


信じろ自分を。


利己に勝つたってきいてもらうんだ。


だから、俺は主の利己を守る為に、お嫁さんの利己を守る為にこの剣術をぶつける!!


「あれって避けてるの・・・全部?」


「ゲージを見ると減ってねぇから、そうなんだろうな・・・」


「・・・驚愕」


「ええ。本当に驚きの連続です」


まだだ!まだいける!


少しずつだけど利己に近づいていけてる。


「・・・フレアフレイム」


詠唱魔法がきたか・・・。


時間はもう残り少ないけど、まだ全力で行くには距離が足りない・・・。


このままだったら、またあの範囲魔法で・・・。


・・・範囲魔法?


そうだ。


あの時利己は言ったな。


「少し範囲外でしたか」って。


ならその範囲外にギリギリで避けきればいける。


どれだけの範囲かは二回も見し体でわかってる。


「フレアフレイム」


火球が放たれた。


「・・・バースト」


そして爆発した。


「終わりましたね」


周囲は煙で覆われているが徐々に晴れてきた。


「・・・この距離ならいける」


「うそ・・・どうして・・・」


「新城流剣術一ノ型『焔』!!」


俊歩を使い一気に距離を詰め、利己に五連の斬撃を与えた。


それにより利己のHPはゼロになった。


「勝負あり。勝者新城 裕!」





「では勝者の新城くんは水島さんに対して1つお願いを聞き入れてもらえます。いいですね水島さん


「・・・・・・」


利己は無言で頷いた。


「では、後はお二人で。私達は戻ります。ログアウト」


「男を見せてもらったぜ!頑張れよ裕!」


「・・・激励」


「頑張ってね~!!」


先輩達は皆ログアウトしていった。


「・・・それで私に何をしてほしいんですか」


「利己には聞いてほしい話があるんだ」


「・・・・・・」


「俺はあの時確かに利己を傷つけた。その事実は変わらない。その性で利己は変わったのも俺のだ・・・。憎んでくれていい。恨んでくれていい。もう二度と利己には近づかない。先輩達には悪いけどチームも抜ける。・・・学園も辞めるよ。だから聞いてほしいんだ。俺のあの時の続きの言葉を・・・。利己、あの時俺は言おうとしたんだ。『利己は友達ではない。俺の大切な主で俺のお嫁さんだ』って言ったんだ。・・・信じてくれるかな」


「・・・・・・嘘」


「嘘じゃない事ぐらい利己ならわかるだろ」


「・・・じゃあ、今まで私はずっと勘違いをしていたってこと・・・」


「違う。俺が招いた誤解でこうなったんだ。利己は悪くない」


「でも、私の勘違いで裕をたくさん傷つけたのは本当の事。一方的に敵意をむき出しにして、話も聞かずにずっと今まで・・・ごめんなさい」


「利己・・・」


「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい・・・ごめんなさい」


「利己!」


「・・・裕」


「悪いのは全部俺。利己は悪くない。今までの事だって怒ってなんかいないよ。だから、謝らなくてもいいし、泣かなくてもいいよ」


「ゆ・・・ゆたか~~~!!!」


利己は俺に抱きつきたくさん泣いた。


そして、胸の中でたくさん謝ってくれた。


俺はこれ以上何も言わず、優しく抱きかかえた。


「・・・落ち着いた?」


「・・・うん」


泣きすぎて頬に流した涙の後がついてる。


「裕、強くなったね。私驚いたよ」


棘のある言い方がなくなり、本来の利己の話し方になった。


「そうだよ。利己を守る為に鍛えたんだ。・・・でも、その剣術で利己を倒しちゃったけど・・・」


「ううん。いいの。そのおかげで私は知る事が出来たんだから。・・・それにしても裕、顔大分変わったね」


「変な顔になったかな?」


「私の理想通りのかっこいい顔になったよ」


「・・・そ、そう・・・かな」


「うん。・・・ねぇ裕」


「何?」


「これからはずっと一緒にいて」


「・・・うん。ずっといるよ。利己を守る為に」


「ううん。今度は私が守るよ」


どういうことだ?


利己は小指をだした。


「約束」


俺も小指を出し


「約束だ」


二人で指きりした。





「あら、二人共お帰りなさい」


仮想世界から戻ると皆が待っていた。


「只今帰りました」


「お待たせしました」


清水先輩は俺と利己を交互に見て


「その様子だと、仲直り出来たみたいですね」


優しい笑顔で言った。


「はい。先輩達のおかげです。ありがとうございます」


「皆さん。ありがとうございました」


「お~何かリコっちの雰囲気が変わった気がするよ~」


「そ、そうですか・・・」


「ああ。前は何か硬い感じがあって距離もあったが、今はそんな感じはしねぇな」


「・・・同意」


「チームの団結力が上がりましたね。これからは協力してミリオンファイブの新城くんを守りながら領土を獲得しエデンを統一しましょうね」


『おお~!!』


「ちょっと待ってください。清水先輩」


「どうしました?」


「どうして俺が守られるんですか?利己がミリオンファイブではないんですか」


「新城くん。あなたは水島さんと全力で戦い勝ちましね?」


「・・・はい」


「ミリオンファイブには決まり事があるんです。ミリオンファイブは卒業までに時期ミリオンファイブを決める権利があるのと、ミリオンファイブ勝った人はその座を受け継ぐと言う決まりがあります。そして、新城くんは勝ちました」


「・・・俺が賞金首に・・・」


「そうなります。その首捕られないように頑張ってくださいね」


「聞いてませんよ!」


「そうですね。直接は言ってませんけど、私は言いましたよ。リスクが大きいと」


「そんな・・・」


「裕は私が守るから安心して」


まさか・・・。


守る側から守られる側になるとは・・・。



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