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LOST DAYS  作者: GRR
7/8

第7話 -開いてる扉-



「ーー゛-ー゛ー゛…」



俺達は部室へと走り出した。


その廊下の途中。

"人影"の1体が首をこちらに向けて立ち塞がった。



「こーするんだぜ」



ユズは俺にそう言った後、モップを構えた。



どかっ。



「……ー-ッ…ーッ」



ユズはモップの先端を"人影"の胴に突き立て、そのまま突っぱねた。



「必殺のツンツン」


「ユズ、今のうちだ」



"人影"が突き倒されたスキに、俺達はその場を通り抜けた。



「GRR、こいつらさ」


「やめ」



俺はユズの言葉を遮った。


ユズの見る方に振り返ると、倒した"人影"は立ち上がっていた。

首から足先まで力無くだらんとした足取りのまま、俺達の姿を追うようにふらふらと歩いてくる。



「こいつらさ、顔が」


「急ぐぞ」



言われんでも見えてるよ、ユズ。


廊下は月明かりが射し込んで"人影"の全身が見えた。

その"人影"の頭部は、あるべき目や鼻、おでこのところがえぐられたように潰れてる、ように見えた。


異常だった。



「こいつら、息し」


「前、あと2体」



冷える廊下。"俺達の吐く息は白く凍る"。



「…ーッ……-」


「…………ー-ッ……」



俺とユズはモップを構え、途中の"人影"を2体、手早く突き倒した。



「俺でも一突きでコカせる」


「GRR、見ろ」



"人影"を突き飛ばした先、部室の入口に辿り着いた。



「やっぱり扉が開いてんぞ」


「やな予感がする」



俺とユズは扉の手前で立ち止まり、周囲の見た。

俺達が通ってきた廊下には、"人影"が集まりだしていた。



「ユズ、来てる」


「中だ、行くぜ」




俺は、部室内に『知らせ』の光を確認した。




「これ、部長様達のじゃないよな」



部室の入口前。

室内から差す照明の光で、廊下の模様まではっきりと見える。



「だといいな」



床に飛び散っている赤黒い跡を見て、ユズはモップを握りしめた。




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