表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LOST DAYS  作者: GRR
6/8

第6話 -こっち-



「GRRのダチか?」


「ノー」



『知らせ』の光と共に現れたのは、多数の"人影"だった。



「………---、ーーー…」



「…ー-ー-、ー-…」



階段から、東側への廊下から、屋外へ出る西の出入り口側から。


俺達は取り囲まれていた。



「どうするよGRR。また殴ってくるぞ」


「待って待って」



俺は『知らせ』の光を確認し、光の数が少ない方向に体を向けた。


最も危険が少ない方向だからだ。



「こっちだユズ」


「ん、そっち?」


「こっち」



俺はユズを呼び、2階への階段へ走り出した。



「GRRッ」



ユズが俺を追い越し、進行方向に蹴りを入れた。



「…ーーーッッ」



行く手の"人影"が1体、壁へと叩きつけられた。



「アイツら、こっち来るぜ」



ユズは階段の踊り場から俺の手を取り、そう言った。



「ーーーーーーーー…」



「……ーーーー、--……」



階段下の"人影"の集団はこちらにグルリと首を向け、うめき声を出し歩み寄ってくる。



「こっち。部室に戻るんだな、GRR」


「光が少…あーいや、そう。部室まで逃げるぞ」



階段の踊り場。

俺は2階への階段を見上げた。


『知らせ』の光は、部室までの道中にも確認できた。



「ユズ。多分、途中に3体位居る」


「どうして分かる」


「光の…あーいや、勘」



俺とユズは背後からの気配をチラ見しつつ、階段を登り、2階の廊下へ着いた。


廊下の一番奥。

遠くに見えるパソコン部部室の照明が、部室の入口前の廊下を照らしていた。



「なんで部室の照明(あかり)が見えんだ?」


「ユズ、やな予感がする」



廊下の途中、ゆらりと動くものがいくつか見えた。


"人影"だ。



「ユズ。ここって確か」


「"工事中"、だったぜ確か」



ユズと俺は階段横に歩いた。[2階の男子トイレ]だ。



「使わねえだろ。借りるぜ」



ユズは"工事中"と書かれたテープをまたぎ、掃除用具入れの中からモップを2本、ごそりと取り出した。


ユズは「蹴り疲れた」とぼやいた後、モップを1本、俺に寄越した。



「行こう」



俺とユズは部室へと走り出した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ