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LOST DAYS  作者: GRR
4/8

第4話 -人影-

目的地にたどり着いた。

[1階の男子トイレ]、俺は連れと用を足しに来た。



「外で待ってる」



しかし俺の小便は口実だ。


連れであるユズの便(すごく長い)が済む間、俺は廊下で『知らせ』の正体を探っていた。



「(どこだろう。この先かな)」



探索の途中、『例の光』が静かに起きた。



「(ん、違う)」



だがその光は弱く、すぐに消えた。

そう思った直後、目の前の掃除用具入れに立てかけていたモップが倒れてきた。



「あぶな」



カラーーンッ


俺はモップを躱した。



「おわっ。誰だ?」


「ユズ、モップだ」



丁度、"事"を終えたユズが出くわした。

ユズは屈んでモップを拾い、元の位置に戻した。



「なんだよ。急に倒れんなよな、ビビっから」



『知らせ』は俺の特異体質だ。光は少し未来の身の危険を伝える。


『知らせ』の危険度の目安は光の強さ。

今の程度の『知らせ』は日常でよく見る。


俺にとっては"いつものこと"レベルだ。



「急だとね」




そして、光は俺以外には見えていない。




「GRR、今日のは太くて長えのが、」


「いいわ言わんでも」



俺達は[1階の男子トイレ]を後にした。


校舎の西側。

部室に戻るため、2階へ向かう[西階段]に差し掛かる頃だった。



「おわっ。誰だ?」



ユズは声を出して立ち止まり、俺も歩みを止めた。

踊り場窓からの光が薄っすら差し込む踊り場と1階廊下の間、階段の上。


"人影"がひっそりとそこに佇んでいた。



「なあGRR。パソコン部(おれたち)以外に残ってる生徒(やつ)が居たんだな。おっす」


「……………………」


「………」

「………」



俺達は1階廊下から人型のシルエットを見上げている。



「道、どいてくれねえな。GRRのダチか?」


「暗くてよく見えねえ」



『知らせ』を確認するまでもなく、それは不審だった。

そして、その『光』は部室の入口で見た『訪問者』のものだった。



「(フツーの生徒に見えるけど、こいつだ。しかし光が強い)」



『知らせ』の危険度の目安は光の強さだ。

さっきのモップ程度だったらかわいいもんで、光があの時みたいに弱くてすぐ消える。



「(こいつの何が危険なんだ、喧嘩でも吹っ掛けられるのか)」



俺は振り向き、東側の階段までの廊下を見回した。



「ユズ、あっちの階段で戻」



ユズに声を掛けようとした時だった。


周囲を舞っていた『光』が動きを見せた。




<―――ミ ギ ノオテ テ―――>




「ッ。ユズ、こいつの右手だッ――」


「あ、なんだって?」



俺は咄嗟に、ユズに『危険』を伝えようとした。




「ーーーーーーーーーーーーーーーー」




同時に"人影"が動いた。



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