表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LOST DAYS  作者: GRR
3/8

第3話 -「待てよ、俺もトイレだ」-


「小便しよう」


「いいよ言わなくて」



扉の錠を閉めてから数分が経過した。

俺は部長様から離席の許可を取った。『光』の事、室外の様子が気がかりだったからだ。



「あ、戻ったらコレ見てくれない? ああ、戻ったらでいいから~」


「あいよ」



部長様は自身のパソコンに視線を戻し画面を指した。今やってる作業のハナシだ。

俺は短い返事を返して作業席から立ち、一伸びしてから出入り口の鉄扉へ向かった。



「待てよGRR。俺も行くウンコ」



声に一瞬ドキリ、とした。


部員達が作業を続けているパソコン席。声の主はのそりと席を立ちこちらへ来た。



「おーう」



その生徒を待つ間、何度か扉を見た。『知らせ』の光は消えている。


俺は静かに鉄扉の錠を外した。



「すぐ帰ってこいよ~」



部長様の送り出す声を聞いた後、俺は扉を開け、ついて来た生徒と共に薄暗い廊下へ出た。



「寒っ」

「寒っ」



俺は扉を閉めた後、そのままポケットに手を突っ込んだ。


棟の最も東側の2階に位置する[パソコン部部室]。

[トイレ]は反対方向である最も西側の各フロアに設備されている。遠い。



「待ってユズ。あっちって確か」


「"工事中"、だったぜ確か」



ついて来た生徒、ユズはポケットに手を入れボソッと答えた。

ここから一番近い[2階の男子トイレ]は現在工事中で使えない事を思い出し、俺達は[1階の男子トイレ]を目指す事にした。



「降りる?」



ユズが階段を指さして尋ねる。

各フロアへの移動手段として、ユズが見ている[東階段]と反対の西側の[西階段]が存在する。


目的地までのルート選択。

先に1階へ降りるか、[西階段]まで歩いて1階へ降りるか。



「……。降りっか」


「あい」



悩むような事でもなかったが、ユズの問いに「ンー」と少し考えるような間を取った。

時間にして1秒、経ったかどうかの間。


"判断"をするには十分な時間だった。




2階廊下の西側に『あの光』が見えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ