黒の魔術師
朝、窓から差し込む朝日と鳥のさえずり声で目が覚める。
書斎デスクにはコーヒーとトースト、ジャムが乗っていた。
コンコン、とノックがあり、扉を開ける。
職員「おはようございます。マグノイヤー様、朝食はパンでよろしいですか。」
マーリン「え、あ、はい。」
職員「では、あちらはマグノイヤー様の旦那様用ですので、貴女様にも同じものをご用意致します。お待ちください。」
...確かに、同じ名前だと不便な物だな。
マノン「何か考え事か?」
マーリン「...ここの職員さんは、私をマグノイヤー様と呼びます。どうにも、区別しずらいような気がして...」
マノン「気にするな。本人が分かっていればそれで良い。朝食は頼んだのか?」
マーリン「はい、同じ物を用意して下さるそうです。」
マノン「そうか。朝食が終わったら、このまま書斎で書類の処理がある。その間は好きに過ごして構わんが、施設からは出るなよ。」
マーリン「今日は...ここで、本を読んでてもよろしいですか?」
マノン「構わん。ここ以外にも図書室はあるからな、気が向いたら行くといい。」
マーリン「ありがとうございます。」
―朝食後、書斎にて―
どの本から読むべきか...壁一面の本棚、殆どは人類語でのタイトルだが稀に異国の言葉のタイトルを混じっている。
人類史について...神話について...英雄について...魔術と魔法について...術具の教科書....?国外の伝承や歴史について...
アンナ先生の所では、旅人の自伝やフィクションの話ばかりだったけど、ここは沢山の分野の本が並んでいる。
職員「マグノイヤー様。1号についてのデータを纏めたものです。従来からの更新項目もございますので、お目通しお願いします。」
マノン「あぁ、わかった。...ふぅ。マーリン、ちょっと来い。」
マーリン「...お疲れ様です。なんでしょうか。」
マノン「時期的に、1号がもうすぐ目を覚ます。お前はどうしたい?」
マーリン「....会いたい、です。1号はずっと一人ぼっちで、あの部屋から出られない。せめて、外の世界について...」
マノン「会話は最低限のみだ。記憶に介入する内容はすべて話すことは出来ない。それでも良いのなら、会わせることは出来る」
マーリン「わかりました...。」




