箱の中(3)
ここには、様々な人外が多く隔離されていた。ただ、それぞれの個性に合わせた環境に置かれ、自然な姿で生活出来ている様だった。
施設の人達(職員)は皆、顔が見えない白い防護服を着ていた。そして、私の服の胸に書かれた「17号」という言葉。名前か?そう考えている内に、ある部屋にたどり着いた。
そこには「1号」と書かれた札が扉に付いており、ガラスの中には、今まで見たことない程白い人類?が本を読んでいた。
職員は、「1号」の横に「17号」の札を差し込み、扉を開けた。背中にそっと押され、部屋の中に入ると扉は閉じた。そして、目を見開いた「1号」と目が合った。
1号「...あ...――――」
?なんだろう、聞いたことない言葉だった。
見た目は人類に似ているが、この施設に居るということは自分と同じ人外だろうか。そう考えている間も、聞いたことない言葉で何やら話しかけてくる。
やがて言葉が返せないと理解したのか、本を持ってきて文字を指さし話し始めた。どうやら言葉を教えようとしてるらしい。文字は今まで見てきたものだが、独自の発音のようだった。
国内に居住している人外は人類の言葉で統一されていると思ったが、この少女...1号は国外から来た者かもしれない。そう思いながら、1号の言葉を真似てみる。すると、1号は笑顔で新たな言葉を返す。発音は違うが、意味は合っているのかもしれない。いつまでここに居るのか分からないし、1号とは出来るだけ意思疎通しておきたい。
彼女に教わるまま、9ヶ月程が経った。少しずつ会話を重ね、自分の産まれた町や生い立ち、ここに来た話。お互い、知りたいことは何でも聞いた。
私が話すほど、1号は目を輝かせながら耳を傾けた。1号がこの部屋から出た事ないと聞いて驚いた。誰に教わる事なく、全てここにある本を独学で理解している天才だった。しかし、ここには人類に関連する本ばかり。人外や国外についての本は無かった。1号は自分が人外かどうかは分からないらしい。
この頃から1号は長く眠る様になった。
そしてついに今日、1号は目覚めることは無かった。




