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箱の中(2)
1号とは、この部屋に入った頃に付けられた防護服の人達(職員)からの呼び名。
この白い少女は1号と呼ばれ、生まれて間もなくここに入れられている。それからはまだ一度も外に出たことは無い。
職員達との会話は無く、顔は見せず、ただ身辺の世話をするだけ。
しかしある時、17号と書かれた服を着た少女がこの部屋に連れられてきた。外の世界を知れるかもしれない、唯一の人物だった。
黒い耳に、黒でも無く紺色でも無いような暗い髪の毛。お尻からは長く黒い尻尾が伸びている。どうにも死んだような空な目をしているが、彼女は自身もどこから来たのかよく分かっていない様子だった。
話しかけてみても、何も話さない。だが、1号の言葉を真似しようとしている様子だった。17号と話したい、そんな気持ちが1号の背中を押した。
1号は、自らが学んだように、少しずつ言葉を17号に教えた。




