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無限の夢から  作者: とま
1部
12/23

初仕事

早朝、職員からの伝令で目が覚めた。

・相視レンズ:50ケース

・火力調整手袋:60ケース

・絹の裁縫セット:20ケース

・業務用革ブーツ:20ケース


何だこの量は...。呆気に取られていると、扉からマノンさんが入ってきた。


マノン「早く着替えろ。荷物はそれで全部だ。今回は屋敷の立て替え工事に伴って、魔術具を多く入れ替えしたいと申し出て頂いた公爵様が相手だ。荷物に破損は厳禁だからな。」


マーリン「いくら馬車でも、この量は運べないかと...。」


マノン「馬車では時間が掛かる。契約魔獣に乗って行った方が早いな」


ふと、庭に出た。何やら空に手を掲げ、呼び出しの契約呪文を唱える。


黒い影が徐々に集まり、1つの大きな影となった。よく見ると、大きなカラス...?


魔獣「マグノイヤー様。何か遠出ですかな?」


マノン「ただの荷物運びだ、手伝ってくれ。報酬はいつも通りだ。」


魔獣「...今回は、混血の猫も居りますな。くれぐれも、お手柔らかに頼みますぞ。」


マノン「あいつは風の力でお前の手助けになるだろう。色々と指示すれば欲しい風が手に入るぞ。」


魔獣「ほぉ....風の力ですかな。我ら鳥類にとっては、喉から手が出るほど欲しい力にありますな。」


マノン「とりあえず、北のホークランド邸へこの荷物を運ばねばない。マーリン。こちらへ。」


マーリン「はい。」


魔獣「猫のお嬢様。荷物を私の背中へどうぞ。」



上手くできるか心配だったが、無事全ての荷物を載せることが出来た。といっても、これから私たちも乗るので、風の力で少し重さを和らげるようにしている。



魔獣「なんと優しいお嬢様でしょうか。お心遣い、感謝いたします。では、参りましょうか。」



カラスの魔獣は大きな翼を広げると、瞬く間に空高く飛び立った。


魔獣「なんと、軽い。これが風の力ですか。お嬢様。もう少しお力添え願えますかな?」


すると、手のひらからいつもと違う流れの気流が生まれた。


魔獣「それが私の求める気流です。行き先まで、一定の気流が生み出していただければ素早く送れます。」


マーリン「やってみます...。」


風の色。気流がぶつかる色。見えてくる。何となく分かる。

欲しい気流、この色かな?



魔獣「そう、それです!これがあれば、いままでの倍は早くたどり着けるはずです。」


マノン「予定してたより、成長が早い様だな。さすがは先生と言うべきか...お前が、センスが良いのかだな。」


約1時間ほどで、目的地のホークランド邸へ降り立った。



ホークランド卿「マグノイヤー様、お久しぶりですな。わざわざこんな北の地まで荷物を持ってきていただき、感謝いたします。」


マノン「いえいえ。ここは国境に近い土地。何かあってからでは遅いでしょうからな。必要なものは最優先で届けさせて頂きます。」


ホークランド卿「まぁ今回は、別邸の立て直しに歳する術具の取り込み直しだったのですがな...。」


マノン「しかし、なぜこの時期に立て直しなど?もうすぐ冬が来るでしょう。」


ホークランド卿「我が妻ロゼッタのお腹に、子供が出来たんだ。安定期も過ぎたからな、暖かい家で自然の中を満喫してもらいたいのさ。」


マーリン「マノンさん...荷物、運び終わりました。」


ホークランド卿「ほぉ、混血の運び屋のお嬢さんか。マグノイヤー様、新しいお弟子さんですかな?」


マノン「いや、何かしら使えるかと、買ったまでです。」


ホークランド卿「どうにも、忠誠心は強いようだな。良い関係性だ。どんな関係であれ、信頼というのは大前提のものだ。おふたりは、なかなか興味深いですな。」


マノン「お戯れを。我らの仕事はこれで。また何か用立てるものがございましたら、いつでもご連絡下さい。」


ホークランド卿「それでは、また会えることを楽しみにしているよ。マグノイヤー様、お嬢さん。」




魔獣に乗り、研究施設へ戻ったのだった。


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