力と術具
1号...ごめん。やっぱり会わない方が良かったかな。けど、話せなくても元気な姿で会いたかったんだ。図書館で呆然と、読む本を選んでいると、マノンさんの書類整理がある程度落ち着き、呼び出された。
マノン「...来たか。」
マーリン「....1号は、外の世界を知りたいと常に言っていました。せめて、もっと沢山の種類の本があれば安心するのではないでしょうか?」
マノン「...検討しておく。それもそうと、もうすぐここを離れなければならない。マーリン、お前には私の荷物持ちとして着いてきてもらう。」
マーリン「わかりました。」
マノン「そこで、お前が先生から教わった力について詳しく知りたい。」
マーリン「はい。私の風の力は、感覚ですが...大雑把に物を浮かせたり、移動させたりは可能です。細かいコントロールはまだ難しいので練習してからですが、荷物持ち位ならある程度の物は運べるかと...。」
マノン「なるほどな。本来なら、お前に術具を渡すつもりは無かったが。これからは少しづつでも私の為に力をコントロール出来るようにしておくように、助けになる術具を用意した。これを両手にはめろ。」
手袋?しかし、指の部分に金具のようなものが5指に付いている。
マノン「これは、風の力をコントロールする為の助けになる術具だ。指輪一つ一つが、エネルギーの出力を調整し、思う通りの風の流れを生み出す。細かいコントロール調整ならそれがあれば多少はマシになるだろう。」
試しに、置いてあった本を手元に持ってくる。本を開き、ページをめくる。閉じて、ゆっくり置く。
マーリン「確かに、今までは物を持ち上げてゆっくり移動させるのが精々でした...細かい動きを風のコントロールで出来るなんて、すごく便利ですね。」
マノン「まぁ、この研究所で作られたものだからな。これらを、他国に売買の交渉をしに行くのが私の仕事の1つでもある。」
マーリン「今回のお仕事も、そうなんですか?」
マノン「今回は国内の仕事だ。資産家への新しい術具のアピールと交渉がメインだ。」
マーリン「資産家...ですか。」
マノン「開発費用は国からの支援があるが、取り戻すためにはそれなりの収益が必要だからな。と言っても、信用のあるツテとしか取引はしない。闇市に出入りしていた者など、会うこともないだろう。」
マーリン「そうですか...。明日、出発でしょうか?」
マノン「そうだ。それまでに、ある程度術具をコントロール出来るようにしておけ。」
マーリン「わかりました。」




