特別隔離室と記憶
5年前のあの日、17号は姿を消した。私の体調が悪くなり、眠る日が増えた頃。あの日も早めに眠って、目を覚ますと17号は居なかった。
それから私は、1人本を読む生活。もう、何度も読み返した本。17号...また、沢山お話したい。あんなに楽しい時間、初めてだった。
頭が痛くなり、私は少し、眠りについた。
1号「またねてた...え?」
17号「おはよ、1号」
1号「おかえり...。今までどこに行ってたの?もう、5年も経ったよ。やっと帰ってきてくれた。」
17号「ごめん。」
1号「急にいなくなって、寂しかった。あの日、私がもっと早く起きてたら17号は居たんじゃないかって、何度も後悔した。」
17号「私も同じだよ。あの日、1号は目が覚めなくて...1人になった。不安で一杯だったよ。」
すると、部屋中から声が聞こえた。
職員「そこまで。会話は中止とする。」
何が起こったの?今まで、こんな事一度も無かった。誰なの?
考えている内に扉が開く。
17号は施設の人達と一緒に、扉を出ようとしていた。
1号「待って、行かないで!...また、1人になっちゃう...」
17号「....ごめんね、1号。」
扉が閉じ、同時に深い絶望が生まれた。急に聞こえた声、何語だったの?分からない...随分前に17号が教えてくれた「外の世界」の言葉?応えるように、17号は外に出た。
もう嫌だ。
今まで我慢していた涙が止まらなかった。
そして、今までに無いほどの激しい頭痛...倒れるように、ベッドに沈む。目を閉じ、願った。
外に出られないなら、いっそ、もう目覚めなくていい。




