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2/3

――★中編★――

 百一回目の金曜日。私は早退届け(理由:時空(じくう)胃痛)を出し、放課後三時間前に軌道(オービタル)図書館へ。リブートの謎を調べるため、司書AI「頁魚(ページフィッシュ)」にアクセス。


 〈検索ワード〉:〈リブート・シティ コア〉、〈時間巻戻 人工衛星〉。結果は検閲モザイク。だがAIが囁く。「観測者(オブザーバー)特権レベルを持つ者なら、コア干渉が可能」。観測者──記憶を保持する存在。つまり私?


 空を見上げると、校舎屋上のさらに上、雲を突く塔「赫光(せっこう)スパイラル」がそびえる。最上部にコア制御室(ブース)があるというウワサ。それが次の目的地。


 私は相棒を求めて体育館へ。遼くんはバスケのフリースロー中。球がリングを弾き、私の足元に転がる。


 私「遼くん、放課後、塔に付き合って」

 遼「え?」

 私「世界を救う作戦。ついでに大事な話もある」

 遼「……面白そうだね」


 こうして急造(きゅうぞう)2人パーティ結成。


 夕刻、塔の昇降リフトへ忍び込むと、SF映画ばりの真空チューブを真上へ射出。リフトの壁面ディスプレイが警告を連呼。「観測者以外の立入は禁止」


 私は胸を張る。「観測者Aランクで~す」。たぶん無免許。


 制御室には水晶(クリスタル)球体──コア──が浮かび、内部で時計の針が逆回転していた。


 遼「きれいだけど、なんか怖い」

 私「ここを止めれば、何も巻き戻らない。今日の告白だってやり直しじゃなく“本物”になる」


 操作パネルに手を伸ばす――警報。床が透け、量子(りょうし)スライムみたいなセキュリティドローンが出現。私は即興ラップで撹乱(かくらん)しつつ遼くんをシールドに(逆!?)。


 遼くん「歌ってる場合!?」

 私「ラップは言霊ブーストよ!」


 ドローンの放電がパネルをショート。コアにヒビ。塔全体が悲鳴を上げる。


 外の空に、再び()色の裂け目。そこから覗く巨大な瞳と視線が合った。


 〈実況〉「ラスボス“時空管理者”登場!! 勝算0.1%!!」


 けど、遼くんが私の手を握る。

 遼「もう巻き戻るのは嫌だ。今日を生きたい」

 私「私も。だから、まだ言ってない言葉がある」


 塔の非常口が開き、強風が吹き込み空へ。――コア崩壊までT-00:05:00。


 私は遼くんに向き直る。「エンディングは、空の上で取るよ!」


 ――中編、終了。

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