雑な情報受け渡し
目を覚ますと明らかに薄暗い森の中で滅茶苦茶ジメジメしててベタベタする気候の場所に放置されていた。
「うん、謎!」
全く分からないが神様の言葉が本当ならここは異世界という事になる。
「まずはお家だね。寝る準備。説明書とか無いかな?」
そんな事を考えていると頭上から本が落下して来た。当然避けられず頭に直撃した。
「痛っ!!何この本。開いてみよう…。読みたく無いけど。」
タイミング的にあの爺さんからの仕掛けだろうし…。
でも、本を読むとどうしても眠くなっちゃうんだよね。寝床がないのに睡魔は来るとか地獄だし…。
“いやー、そう言えば自力選択じゃないから説明ないと分からんかったのぉ。これは出血大サービスのおまけじゃ。この世界の常識とお主の現状のステータスが分かるぞ。”
パラパラとページをめくると、強制的に内容を理解させられる。情報を脳に無理矢理捩じ込まれるような感覚で、激痛が全身を支配する。
「あ゛ぁぁあ゛ぁぁ!!!!」
名前:ナディア
性別:無
※儂らが直接作った関係で性別はないんじゃ。見た目的にはしっかり少年に寄せておる。
年齢:0歳
種族:人族?
体力:250
※人族の普通の子供なら500はあるよ?と言うか衰弱し切った老人でも100はあるから相当体力ないね。
魔力:318,900
※普通の人が10〜100ぐらいだから化け物だね。体力と同じで訓練次第で増えるから1,000あれば魔法使いとして一流、10,000行くには元来の才能と果てしない努力が必要って言われてるよ。
通常スキル
惰眠Lv10、傾眠Lv9、描画Lv9、鉛筆画Lv8、家事Lv8、逃避Lv8、水彩画Lv7、妄想Lv6、集中Lv6、水墨画Lv4、瞑想Lv3、演算Lv3、油画Lv2
※これは僕ら何もいじってないよー。
あと、スキルLvは10が最高で滅多にいなくて、3ぐらいで一人前かなー。
職業スキル
創作Lv9、風景画家Lv8、医学Lv7、薬学Lv3
※この世界はあまり医学が発展していないから薬の知識は役に立つでしょう。頑張って下さいねー。
戦闘スキル
気配遮断Lv7、肉体操作Lv4
※運動音痴過ぎるため肉体操作は与えたが影の薄さは自前じゃぞ。勘違いするでないぞ。
魔法スキル
時空間魔法Lv3、結界魔法Lv3、回復魔法Lv3、魔力感知Lv3、魔力操作Lv3、炎魔法Lv1、水魔法Lv1、大地魔法Lv1、無属性魔法Lv1、氷魔法Lv1、光闇魔法Lv1、天候魔法Lv1、植物魔法Lv1、操作魔法Lv1
※望む快適空間と最低限の自衛の術は与えたぞ。感謝するが良い。
耐性スキル
苦痛耐性Lv10、休眠Lv9、老化速度低下Lv9、老化抵抗Lv8、劣化耐性Lv8、全属性耐性Lv5、全状態異常耐性Lv5、肉体損傷耐性Lv3、精神損傷耐性Lv3、魂損傷耐性Lv3
※儂らがスキルを与えるためちょっといじったら勝手にスキル生えて来たり、老化耐性上がってしもうたが問題はないじゃろ。然程変わらん。
特殊スキル
精密操作Lv9、夢想Lv8、空想Lv7、自然回復Lv4、運命Lv1
加護
神々の王ラノスの加護
魔法の神ミネルの加護
森林の神アイナの加護
旅の神ルリウスの加護
称号
数奇な運命を辿る者
惰眠を貪る者
ルリウスの興味
君は何かありそうだからねー。王様には内緒だよー?
ーーー
ーー
激痛が治りやっと動けるようになった頃には既に日が暮れていた。
「色々知れたのは良かった。うん、この世界の住民から見て悪目立ちするより先で本当に良かった。だけど!!これはないでしょ!!!?むちゃ、痛いじゃん!!普通に教えてよ!!!?それに何やらここら辺の森人が近づかない理由が危険な魔物が数多く棲息しているかららしいじゃん!安心安全の寝床何処ぉ!!!?てか、僕の名前変えられてない!!?帰ってこい僕の名前!!!」
あの爺さん色々雑過ぎる。でも、過ぎた事をウダウダ言ってても何も変わらない。安心安全の寝床作って気ままに暮らそう。
この場所の唯一の利点は人が寄りつかない=お金が必要ない=人と関わる必要も労働の必要もないという事だけ。
ただ自給自足するだけならばここ以上に最適な場所はないだろう。危険な魔物が巣食うと言っても過密状態ではないだろうし、あまり気にする必要はないだろう。
「さて、今からお家作り始めるぞー!!」
そうして僕はこの危険な森で夜中から作業を始めた。